(2024年)相続登記しないとどうなるか【デメリットたくさん】
「亡くなった父の名義のままの不動産があります。長年、相続登記していないままなのですが、相続登記しないとどうなりますか?」
大阪の司法書士の田渕智之です。こういった疑問にお答えします。
相続登記しないと、権利関係が複雑になる、過料(罰金のようなもの)が課せられる、など様々なデメリットがあります。
この記事では、相続登記しないとどうなるかについて司法書士がわかりやすく解説します。
目次
(2024年)相続登記しないとどうなるか【デメリットたくさん】
相続しないまま放置すると下記のようなデメリットがあります。
1 相続人が認知症になると手続きがストップ
2 権利関係が複雑になる
3 過料が課せられる
4 不動産を処分したり、担保に入れることができない
相続登記しないとどうなるか1 相続人が認知症になると手続きがストップ
相続人登記しないうちに相続人の1人が認知症になってしまうと手続きがストップしてしまいます。
不動産を相続した場合、被相続人が遺言で遺産分割方法を指定していた場合などを除いて基本的には、遺産分割協議することになります。
・関連記事 遺産分割協議とは何か?【遺産の分け方についての話し合い】
しかし、相続人が重度の認知症になってしまうと遺産分割協議できなくなり、その人に成年後見人を選任する必要があります。
成年後見人が選任されるまで数ヶ月かかります。
それまで相続手続きがストップすることになるのです。
相続登記しないとどうなるか2 権利関係が複雑になる
相続登記しないまま放置すると、権利関係が複雑になるおそれがあります。
たとえば、子ども2人(長男、次男)が相続人になる場合、相続登記しないうちに長男が亡くなると長男の子ども(被相続人の孫)と次男で遺産分割協議することになります。
ここでさらに次男も亡くなると、長男の子どもと次男の子ども(いとこ同士)が遺産分割することになります。
ここで関係が疎遠だった場合、遺産分割が進まずさらに放置されてしまうという可能性があります。
そうならないようにお早めに手続きを進める必要があります。
相続登記しないとどうなるか3 過料が課せられる
相続登記をしないと過料という罰金のようなものを課せられる可能性があります。
かつては相続登記することは義務ではありませんでした。
しかし、令和6年4月から相続登記は義務になります。
不動産を取得したことを知ったときから3年以内に登記しないといけなくなります。
正当な理由なく相続登記しない人には、10万円以下の過料に処せられます。
・関連記事 【2023年】相続登記義務化を司法書士が解説 いつから?
相続登記しないとどうなるか4 不動産を処分したり、担保に入れることができない
相続登記しないと、基本的には不動産を処分したりすることはできません。
これは、相続した不動産につき相続登記せずに売却したとしても、相続登記を省略して買主の名義にすることはできないためです。
買主としては、不動産を買ったとしても登記できないと不動産の権利を失う可能性があるため、相続登記されてないままの不動産を買うことはとてもリスクがあります。
・関連記事 相続した不動産は相続登記せずに売却できる?【できません】
なので相続登記されていないままの不動産を売却することは、まず不可能です。
また、相続登記していないと抵当権などの担保に入れることもできません。
相続登記はお早めに
以上のように相続登記しないことは、いろいろなデメリットがあります。
被相続人がお亡くなりになってから1年以内の方が親族が集まる機会も多く、話し合いもしやすいです。
ぜひお早めに相続登記されることをおすすめします。
相続登記の手続きについては詳しくはこちらをご覧ください。
・関連記事 相続登記の手続を司法書士が解説【不動産の名義変更】
相続登記については司法書士に相談しましょう
もし自分でするのは大変そうという場合は、司法書士に相談しましょう。
大阪周辺の方なら当事務所でも承っています。
当事務所の相続登記手続きサポートサービスの詳細はこちら。
・関連記事 大阪京橋・都島で相続登記なら 不動産の名義変更そのまま丸ごと依頼
まとめ
以上、相続登記しないとどうなるかについて解説しました。
まとめると次の通り。
・相続登記しないとデメリット多数
・権利関係が複雑化する
・相続人が認知症になると手続きストップ
・相続登記しないと過料課され、不動産の売却や担保設定が不可能
今回は以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。