遺言を書くときの注意点を司法書士がわかりやすく解説

遺言の相談者

「遺言を書いてみたいと思っています。遺言を書くときの注意点はありますか?」

 
 
 
 
 
 
 
 
 

大阪の司法書士・行政書士の田渕智之です。こういった疑問にお答えします。

遺言書は、相続人同士の争いを防ぐのに有効な手段です。

しかし、法律的な知識がないままに、まずい内容の遺言を書いてしまうと、かえって相続争いを招くおそれがあります。

そうならないように、この記事では遺言を書く時の注意点をわかりやすく解説します。

 

遺言を書くときの注意点を司法書士がわかりやすく解説

遺言を書くときの注意点を司法書士がわかりやすく解説

遺言を書く場合、次のような事項に注意する必要があります。

注意点1  相続人の遺留分を侵害しないようにする

注意点2  相続人への配慮を欠く内容にしない

注意点3  相続人や受遺者が先に亡くなった場合には、その人への遺言部分は失効

 

遺言の注意点1 相続人の遺留分を侵害しないようにする

遺言の注意点

遺言の注意点の一つ目は相続人の遺留分を侵害しないようにするということです。

遺留分とは、相続人に残しておくべき最低限の取り分のことです。

たとえば、相続人がいるのに、「愛人○○にすべての財産を遺贈する」などの遺言によって相続人が一切財産を相続できないのはかわいそうです。

そこで、相続人には最低限相続できる割合が保障されています。

この相続人の最低限相続できる割合が遺留分です。

具体的な遺留分の割合などはこちらをご覧ください。

・関連記事 遺留分とは?司法書士がわかりやすく解説【相続人の取り分】

 

たとえば、相続人として子ども二人(長男と次男)がいる場合、遺留分は相続分の2分の1です。

長男と次男の相続分は2分の1ずつですので、遺留分は4分の1になります。

 ・1/2 × 1/2    =  1/4

  相続分   遺留分の割合   長男、次男の具体的な遺留分割合

 

このような場合に長男にすべての財産を相続させる遺言があると、次男の遺留分が侵害されます。

この場合、次男はすべての財産を相続した長男に対して遺留分に相当する金銭を請求できます。

そうなると相続争いになってしまいます。

なので、遺言を書く時はできれば相続人の遺留分を侵害しないようにした方がいいのです。

 

遺言の注意点2 相続人への配慮を欠く内容にしない

遺言公正証書

注意点の2つ目は、相続人への配慮を欠く内容にしない、ということです。

たとえば、相続人の取り分に極端に差をつけたり、逆に、相続人のうち親の介護などを献身的にしていた子どもがいるのに相続分を同じにするなどです。

相続分に差があっても、遺留分を侵害しない限り法的には問題ありません。

しかし、相続人としては感情的に不満に思うかもしれません。

そこで、活用するべきなのが付言事項(ふげんじこう)です。

付言事項とは、家族に対する感謝の気持ちや心情などを伝えるメッセージです。

たとえば、特定の子どもに多めに財産を相続させる遺言を書く場合に、そのような財産の分け方にする理由や、相続分が少ないからといって愛情が少ないわけではない、などといったことを書きます。

付言事項には法律上の効果はありませんが、遺言に家族に対するメッセージを残しておくことで、相続人同士の対立を防いだり、遺言についての不満を和らげる効果が期待できます。

遺言の効力が発生するのは、遺言を書いた人が亡くなった後です。

その時には、遺言の書いた人の気持ちを確認することができません。

そこで、遺言の中に遺言を書いた人の気持ちを書いておくと、遺された家族としても気持ちの整理がしやすくなるでしょう。

付言事項について詳しくはこちら

・関連記事 遺言の付言事項とは?家族につたえるメッセージ【遺言の文例】

 

遺言の注意点3  相続人や受遺者が先に亡くなった場合には、その人への遺言部分は失効

遺言の注意点

3つ目の注意点は、遺言を書いた人より先に相続人や受遺者が亡くなった場合には、その人への遺言部分は失効するということです。

特に配偶者など、自分と同世代の人に相続させるまたは遺贈する場合に注意が必要です。

子どもなど自分より下の世代の場合は、その可能性は低いですが、絶対にないとは限りません。

そういう場合に備えておくのが予備的遺言というものです。

予備的遺言とは、相続させる人、遺贈する人が遺言を書いた人より先に亡くなった場合に備えて、次に相続する人を指定しておく遺言です。

たとえば、「妻〇〇に全財産を相続させる。遺言者より先に妻〇〇が亡くなっていたときは子の〇〇相続させる」といったような遺言です。

こうしておけば、遺言者より先に相続させる人、遺贈する人が亡くなったとしても遺言を書き直す必要がありません。

予備的遺言については詳しくはこちら

・関連記事 予備的遺言とは【相続させる人が先に亡くなった場合に備える遺言】

 

1人で遺言を作成するのが不安なときは司法書士に相談しましょう

1人で遺言を作成するのが不安なときは司法書士に相談しましょう

以上のように、遺言の作成には様々な注意点があります。

1人で遺言を作成するのが不安だという場合は、司法書士などの専門家に相談しながら作成しましょう。

・関連記事 遺言書の作成を司法書士に依頼するメリット・デメリット

 

大阪近辺の方なら当事務所でも承っています。

・関連記事 田渕司法書士・行政書士事務所の遺言書作成サポートサービス

 

まとめ

以上、遺言を書く時の注意点を解説しました。

まとめると次の通り。

・遺言を書くときは、相続人の遺留分侵害を避ける必要がある

・相続人への配慮が欠けないようにし、感情的な不満を避けるために付言事項が有効

・相続人や受遺者が先に亡くなった場合、その人への遺言部分は失効するため、予備的遺言が必要

 

今回は以上です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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