【2021年】相続登記義務化について いつから? 罰則はある?

司法書士の田渕です。

先日、日経新聞にこんな記事がありました。

  1. 外部リンク 相続登記を義務化 所有者不明土地対策、関連法案を決定


相続した不動産の名義変更を相続登記といいます。

これまでは、相続登記するかどうかは不動産を所有している人の自由でした。

しかし、相続登記をしないで放置する人が多いために、空き家や所有者不明の土地が増加して、社会問題になっています。

そこで、こうした社会問題を解決するために、相続登記を義務化する法案がこれから審議されることになりました。

ここでは相続登記義務化について深堀りします。


【2021年】相続登記義務化について いつから? 罰則はある?

相続登記を義務化する法案が今国会に提出され、審議されています。

国会審議

これまでは相続登記に限らず、不動産登記については登記するかどうかは所有している人の任意でした。

しかし相続登記をしないまま放置する人が多かったために、所有者が誰なのかわからない土地が増え、社会問題となっていました。

 

上記の日経新聞の記事によると、所有者がわからない理由の66%が相続登記の不備で、34%が住所を変更していないからとのことです。

相続登記をしない人が多いのは、相続登記をするには費用がかかってしまううえに、相続登記はまったくの任意で、罰則もなかったからです。

そこで相続登記を義務化することで、こうした所有者不明の土地を減らしていこうというのが、法案の趣旨です。


相続登記する意味

すみやかに相続登記が行われることが、所有者不明土地問題のひとつの解決策になります。

登記とは、所有権などの権利関係を外部に公表する制度です。

登記済権利証

登記は誰でも見ることができるため、不動産を購入したいと思っている人が、不動産の所有者を調べたいときは、登記を見れば、簡単に所有者がわかります。

それによって円滑な不動産取引ができるようになるのです。

  

しかし、相続が発生したときに相続登記がされないまま放置されると、実際の所有者と登記上の名義人が一致しない状態が続きます。

その結果、次のような問題が発生します。

  1. ・取引したいと思って調べても、だれが所有者かわからない
  2. ・放棄された不動産について近隣が迷惑でも、誰が所有者かわからないので文句言えない
  3. ・放棄された不動産について近隣が迷惑でも、行政はなんともできない。


不動産を購入したい人がいても、所有者を調べても誰が所有者なのかわからないと、不動産の購入を断念してしまい、その結果、放置されたままということになってしまいます。

このようなことが起きないようにするためにも、すみやかに相続登記をすることが必要です。


いつまでに相続登記しないといけないの?

次のようなルールを設けることが検討されています。

  1. ・相続や遺贈によって所有権を取得した人は、取得したことを知ったときから3年以内に登記しないといけない
  2.   
  3. ・相続登記した後、遺産分割があったときは、遺産分割のときから3年以内に登記しないといけない。


相続登記しないと罰則がある?

正当な理由なく相続登記しない人には、10万円以下の過料を科すというルールを設けることが検討されています。


相続登記義務化はいつから?

相続登記義務化は2023年から施行の見込みです。

もっとも、これから国会に審議されますので、審議の状況によっては遅れる可能性があります。


住所、氏名変更についても義務化

相続登記以外にも、所有権の登記名義人の住所や氏名が変更した際の、変更登記の申請が義務化される見込みです。

上記の記事によると、所有者がわからない理由の34%が、住所を変更していないから、とのことです。

住所が変わっているのに、登記上の住所が変わっていないと、連絡が取れないという問題があります。

そうならないように、住所や氏名の変更登記も義務化されるというわけです。

住所や氏名が変更した場合は、2年以内に変更しないと、5万円以下の過料を科すというルールを設けることが検討されています。


土地を国へ返納する制度

土地

相続や遺贈によって土地を取得した人は、その土地を国に返納できるという制度の創設が検討されています。

土地の中には、価値が低く、処分したくても処分できない土地があります。

こうした土地は、収益を生まず、維持コストだけがかかるため「負動産」などと呼ばれています。

こういった土地を相続した人にとっては、負担が大きく、さらに管理がされなくなるという可能性があります。

そこで、このような土地を取得した相続人のために、土地を国に返納できるという制度の創設が検討されているのです。


なんでもかんでも土地を国に返納できることとすると問題があるため、返納するためには国の承認が必要というルールを設ける見込みです。

次のような土地の返納は、承認されません。

  1. ・建物のある土地
  2. ・担保権や借地権が設定されている土地
  3. ・道路として使用が予定される土地
  4. ・汚染されている土地
  5. ・境界が明らかでない土地
  6. ・所有権について争いがある土地
  7. ・管理に過分の費用を要するもの    など


相続登記の申請手続き

権利証

相続登記の申請の手続きについては、別記事で解説していますので、くわしくはこちらをご覧ください。

  1. ・関連記事 相続登記:相続した不動産の名義変更のやり方

 

相続登記の手続きを専門家に依頼したいという方は、当事務所でも承っております。

くわしくはこちらをご覧ください。

  1. ・関連記事 田渕司法書士事務所の相続登記(相続した不動産の名義変更)サービス

 

というわけで今回は以上です。

お読みいただきありがとうございました。