父親が亡くなったときにやるべきこと – 必要な手続きと注意点

相談者

「先日、父親が亡くなりました。どういったことをしないといけないのでしょうか?」

 
 
 
 
 

大阪の司法書士・行政書士の田渕です。こういった疑問にお答えします。

父親が亡くなると、悲しみに暮れる間もなく、様々な手続きを進める必要があります。葬儀や相続など、何から手をつければよいのか分からない方も多いでしょう。

本記事では、父親が亡くなった際に必要な手続きや注意点を司法書士が分かりやすく解説します。


父親が亡くなったときにやるべきこと – 必要な手続きと注意点

父親が亡くなったときにやるべきこと – 必要な手続きと注意点
相続 老人 男性 遺影 イラスト

父親が亡くなったときにやるべきこととして、下記の3つに分けて説明します。

1 父親が亡くなったときすぐにやるべきこと

2 葬儀後に必要な手続き

3 相続手続き

 

1. 父親が亡くなったときすぐにやるべきこと

父親が亡くなったときすぐにやるべきことは、①死亡診断書または死体検案書の取得、② 親族や関係者への連絡、③ 葬儀社の手配と葬儀の準備、です。


父親が亡くなったときすぐにやるべきこと①  死亡診断書または死体検案書の取得

父親が亡くなったときすぐにやるべきこと①  死亡診断書または死体検案書の取得

父親が亡くなった時に最初にするべきことは、死亡診断書の取得です。死亡診断書がないと火葬の手続きができません。

父親が病院で亡くなった場合は、医師に死亡診断書を作成してもらいます。

自宅で亡くなった場合は、24時間以内にかかりつけ医が診察をし、死因が持病であることが判断できる場合は死亡診断書が発行されます。

かかりつけ医がいない場合は、警察に連絡し、死体検案書を作成してもらいます。


父親が亡くなったときすぐにやるべきこと②  親族や関係者への連絡

家族や親族、故人と親しかった友人、勤務先などに連絡を入れます。葬儀社を手配する場合は、事前に確認しておくとスムーズです。


父親が亡くなったときすぐにやるべきこと③  葬儀社の手配と葬儀の準備

葬儀社を選び、葬儀の形式を決めます。通夜や告別式の日時、場所、宗派などを決め、必要な手続きを進めましょう。


2. 葬儀後に必要な手続き

葬儀後に必要な手続きは① 死亡届の提出、② 年金・保険の手続き、③ 公共料金や契約の解約・変更、です。


葬儀後に必要な手続き①  死亡届の提出

死亡診断書をもとに、市区町村役場に死亡届を提出します。提出期限は死亡後7日以内です。


葬儀後に必要な手続き②  年金・保険の手続き

父親が年金を受給していた場合は、死亡により年金を受ける権利がなくなるため、「受給権者死亡届(報告書)」の提出が必要です。ただし、日本年金機構に個人番号(マイナンバー)が収録されていると、原則として、「年金受給権者死亡届(報告書)」を省略できます。

・外部リンク 日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき


また、生命保険に加入していた場合は、保険会社へ請求手続きを進めます。

 

葬儀後に必要な手続き③  公共料金や契約の解約・変更

電気・ガス・水道・携帯電話などの契約を解約または名義変更する必要があります。


3. 相続手続き

相続手続き

次の通り、相続手続きが必要になります。

・遺言書の確認

・遺言書の検認

・相続放棄や限定承認の検討

・相続人の確定と戸籍謄本の取得

・遺言書がないときは遺産分割協議

・準確定申告

・相続税の申告と納付

・相続財産の名義変更

 

相続手続き① 遺言書の確認

相続手続き① 遺言書の確認

父親が遺言書を残しているか確認します。遺言があるかないかでその後の相続手続きが変わってきますので、よく確認しましょう。

公正証書遺言については公証人役場に問い合わせると、遺言があるかどうか確認してもらえます。

・関連記事 遺言を検索する方法【亡くなった人が遺言を遺したか調べる】

 

相続手続き② 遺言書の検認

相続手続き② 遺言書の検認

遺言書の中には、検認手続きが必要になるものがあります。

検認とは、遺言書の改ざんなどを防ぐための家庭裁判所での証拠保全手続きです。

遺言書のうち、次のものは検認が必要になります。

  1. ・法務局に保管されていない自筆証書遺言
  2. ・秘密証書遺言

 

・関連記事 遺言書の検認手続きの流れをわかりやすく解説します


相続手続き③ 相続放棄や限定承認の検討

相続財産に負債が多い場合は、相続放棄や限定承認の手続きを行うことを検討します。期限は死亡後3か月以内です。

・関連記事 相続放棄の手続きをわかりやすく解説【必要書類や注意点など】


相続手続き④ 相続人の確定と戸籍謄本の取得

相続手続き④ 相続人の確定と戸籍謄本の取得

法定相続人を確定するために戸籍謄本を取得します。

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本すべてと、相続人の現在の戸籍謄本が必要になります。

・関連記事 相続に必要な戸籍謄本の集め方、古い戸籍の読み方


相続手続き⑤ 遺言書がないときは遺産分割協議

相続手続き⑤ 遺言書がないときは遺産分割協議

遺言書に遺産分割方法の指定が記載されていれば、その通りに分けることになりますが、そうではない場合は遺産分割協議が必要です。

遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を決める話し合いです。

・関連記事 遺産分割協議とは何か?【遺産の分け方についての話し合い】


相続手続き⑥ 準確定申告

準確定申告とは、亡くなった方の1月1日から亡くなった日までの所得にかかる所得税についての手続です。

相続人が、相続があったことを知った日から4カ月以内に申告しないといけません。

準確定申告は、亡くなった方が生前に確定申告をしていた場合に、必要になることが多いです(たとえば個人事業主の場合)。


相続手続き⑦ 相続税の申告・納税

相続手続き⑦ 相続税の申告・納税

相続財産が基礎控除額を超える場合は、相続税の申告が必要です。期限は死亡後10か月以内なので、早めに税理士に相談することをおすすめします。

・外部リンク 財務省 親が亡くなりました。遺産を相続する場合にどのような税金がかかるのですか?


相続手続き⑧ 相続財産の名義変更

相続手続き⑧ 相続財産の名義変更

相続財産の名義変更の手続きが必要です。

不動産については、必要書類を集めて法務局に申請します。

預金など金融資産は、必要書類を各金融機関に提出します。

詳しくはこちら。

・関連記事 相続登記とは何か?基本を司法書士がわかりやすく解説

・関連記事 預金の相続手続きをわかりやすく解説します【必要書類など】


相続手続きを自分でするのが難しい場合は司法書士に相談

相続手続きを自分でするのが難しい場合は、司法書士に相談しましょう。

大阪の方なら当事務所でも承っています。

初回相談無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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当事務所の相続手続きサポートサービスの詳細はこちら。

・関連記事 田渕司法書士・行政書士事務所の相続手続き総合サポートサービス

 

まとめ

父親が亡くなった際には、さまざまな手続きを進める必要があります。

特に相続に関する手続きは複雑なため、司法書士などの専門家に相談するのも一つの方法です。

落ち着いて一つずつ進めていきましょう。

 

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