共有分割とは?司法書士がわかりやすく解説【遺産分割方法】

相続の相談者

「先日、父が亡くなりました。遺産分割協議をしようと思うのですが、いろいろ調べていたところ、共有分割という方法があると知りました。共有分割とは何でしょうか?くわしく教えてください」

 
 
 
 

大阪の司法書士・行政書士の田渕です。こういった疑問にお答えします。

共有分割とは、遺産を相続人同士で共有する遺産分割方法です。

現物分割が難しく、相続人が他の分割方法を望まない場合にされることがあります。

この記事では共有分割について司法書士がわかりやすく解説します。

 

共有分割とは?司法書士がわかりやすく解説【遺産分割方法】

共有分割とは?司法書士がわかりやすく解説【遺産分割方法】

共有分割は、遺産を相続人同士で共有する遺産分割方法です。

たとえば、被相続人が遺した遺産が2000万円の自宅の土地建物で、相続人が妻と子の2人だった場合、この土地建物を持分2分のずつ共有する場合です。

各相続人は法定相続分の割合で相続しますが、相続人同士が合意すれば法定相続分と異なる割合で遺産分割することもできます。
・関連記事 法定相続分とは?【法定相続分の割合について司法書士が解説】

 

共有分割は相続人全員が遺産である自宅に住み続けるような場合などに使われます。

 

共有分割は避けた方がいい

共有分割は避けた方がいい

共有分割は下記の理由から、できれば避けた方がいいでしょう。

・共有者が亡くなると権利関係が複雑になる
・共有不動産を売却する時は共有者全員で手続きをする必要がある
・共有者から共有物分割を請求される可能性


共有分割を避けた方がいい理由1 共有者が亡くなると権利関係が複雑になる

共有分割を避けた方がいい理由1 共有者が亡くなると権利関係が複雑になる

共有者の1人が亡くなった場合、さらにその相続人が相続することになり権利関係が複雑になります。

たとえば、被相続人が遺した遺産が自宅の土地建物で、相続人である長男と次男が共有分割した場合、さらに長男が亡くなった場合、長男の子が相続します。次男が亡くなった場合も次男の子が相続します。

こうなると長男の子と次男の子が共有することになります。

ここで長男と次男の子どもたちが、仲がよくなかったり、交流が無くなり連絡が取れなくなるなどすると、後で共有関係を解消したり、処分するということが難しくなります。


共有分割を避けた方がいい理由2 共有不動産を売却する時は共有者全員で手続きをする必要がある

共有分割を避けた方がいい理由2 共有不動産を売却する時は共有者全員で手続きをする必要がある

共有不動産を売却する場合、全員で手続きをする必要があります。

ここで意見が対立すると不動産を売却できなくなってしまいます。


共有分割を避けた方がいい理由3 共有者から共有物分割を請求される可能性

共有分割を避けた方がいい理由3 共有者から共有物分割を請求される可能性

一度遺産につき共有分割で遺産分割すると、後で共有関係を解消するには共有物分割という手続きですることになります。

共有物分割はまずは話し合いですることになりますが、話し合いがまとまらないと裁判手続きになる可能性があります。


共有分割以外の遺産分割方法

共有分割以外の遺産分割方法として下記のものがあります。
・現物分割
・代償分割
・換価分割


くわしくはこちら。

・関連記事 遺産分割方法のまとめ 司法書士がわかりやすく解説


まとめ

以上、共有分割について解説しました。

まとめると次の通り。

  • 共有分割とは、相続人が遺産を共有する遺産分割方法で、全員が遺産を使い続ける場合に用いられる。
  • 共有分割は、権利関係が複雑になりやすく、売却時に全員の同意が必要なため、避けることが推奨される。
  • 共有分割以外の遺産分割方法には、現物分割、代償分割、換価分割がある。


今回は以上です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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