相続 配偶者なし 子なし 親なし 兄弟ありの場合誰が相続?
「私には、配偶者も、子どもも、親もいませんが、兄と弟がいます。この場合、兄と弟が相続人になりますか?」
大阪の司法書士・行政書士の田渕です。こういった疑問にお答えします。
結論から申し上げますと、配偶者なし、子なし、親なし、兄弟ありの場合は、兄弟(姉妹)が相続します。
この記事では、この場合に兄弟(姉妹)が先に亡くなった場合や、兄弟や姉妹に相続させたくない場合どうすればいいのかなどについてわかりやすく解説します。
目次
相続 配偶者なし 子なし 親なし 兄弟ありの場合誰が相続?
配偶者なし、子なし、親なし、兄弟ありの場合は、兄弟(姉妹)が相続人になります。
配偶者は常に相続人になりますが、それ以外の相続人については次のように相続する順位が決められています。
- 第1順位 子(または孫やひ孫)
- 第2順位 直系尊属
- 第3順位 兄弟姉妹(または甥や姪)
第1順位の子ども(または孫やひ孫)がいる場合は、直系尊属(親や祖父母)や兄弟は相続人になりません。
子ども(または孫やひ孫)がいなくても、第2順位の直系尊属がいる場合は、兄弟は相続人になりません。
子(または孫やひ孫)や直系尊属がいない場合に、兄弟や姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹の相続分
相続人が兄弟や姉妹のみの場合、それぞれ兄弟姉妹の人数の割合で相続します。
たとえば、兄と弟がいる場合は、それぞれ2分の1ずつ相続します。
ただし、兄弟や姉妹の中に半血兄弟がいる場合、半血兄弟の相続分は父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1になります(民法900条4項)。
半血兄弟とは、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹のことです。
たとえば、父に先妻と後妻がおり、先妻との間に子が1人、後妻との間に子が3人いる場合、先妻の子と後妻の子は、父は同じですが母は異なるので半血兄弟といわれています。
この場合に、後妻の子の1人が亡くなり、兄弟が相続人になる場合、先妻の子の相続分は同じ後妻の子の相続分の半分になります。
その結果、この場合の相続分は後妻の子が5分の2ずつ、先妻の子が5分の1になります。
相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合、それぞれの相続分は次の通り
- ・配偶者 4分の3
- ・兄弟姉妹 4分の1
兄弟姉妹が複数いる場合は、4分の1を兄弟姉妹で分け合います。
なので、兄弟が2人(兄と弟)の場合は、それぞれ8分の1になります。
- ・配偶者 4分の3
- ・兄 8分の1
- ・弟 8分の1
兄弟姉妹が先に亡くなった場合、甥・姪が相続する
兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、その兄弟姉妹の子ども、つまり甥や姪が相続人になります。
このように本来相続人になる人が先に亡くなっているため、その相続人の子どもが代わりに相続人になることを代襲相続といいます。
兄弟姉妹に相続させたくない場合は遺言書
もし、仲が良くない兄弟に相続させるくらいなら、仲がいい友人やお世話になった人、慈善団体などに財産を贈与したいという希望がある場合、遺言書を書いておきましょう。
遺言書で贈与することを遺贈といいます。
兄弟姉妹には遺留分がないので、遺産のすべてを兄弟以外に遺贈しても問題ありません。
遺留分とは、相続人に残しておくべき最低限の取り分のことです。
兄弟姉妹(や甥姪)以外の相続人には遺留分がありますが、兄弟姉妹には遺留分の権利がありません。
そのため、兄弟以外の人にすべて遺贈しても、兄弟は遺留分を請求することができません。
くわしくはこちら。
どのような遺言書を書くべきかわからないときは専門家に相談
兄弟に相続させたくないので遺言書を書きたいけど、どういう遺言書がいいのかわからないときは司法書士などの専門家に相談しながら書くことをおすすめします。
大阪の方であれば、当事務所でも承っています。
まとめ
以上、配偶者なし、子なし、親なし、兄弟ありの場合の相続について解説しました。
まとめると、次の通り。
- ・配偶者なし、子なし、親なし、兄弟ありの場合は、兄弟(姉妹)が相続
- ・兄弟が先に亡くなっている場合は、甥や姪が相続
- ・兄弟や姉妹に相続させたくない場合は、遺言書を書く
というわけで今回は以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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