登記事項証明書(不動産)とは?見方を司法書士が解説します

登記の相談者

「所有している不動産の登記事項証明書が必要になりました。登記事項証明書とは実際どんなものなんでしょうか?」

 
 
 
 
 
 
 

大阪の司法書士の田渕です。こういった疑問にお答えします。

登記事項証明書は、不動産や会社の登記の内容を法務局が証明した書類です。

登記事項証明書には、主に不動産についてのものと、会社・法人についてのものがあります。

不動産の登記事項証明書は、不動産の物理的な現況や、所有権や担保権などの権利関係を証明する書類です。

登記事項証明書は法務局で取ることができます。

この記事では、不動産の登記事項証明書について司法書士がわかりやすく解説します。


登記事項証明書(不動産)とは?見方を司法書士が解説します

不動産の登記事項証明書は、不動産の物理的な現況や、所有権や担保権などの権利関係を証明する書類です。

下は不動産の登記事項証明書のサンプルです。

登記事項証明書
出典:法務省ホームページ

不動産の登記事項証明書は、次の4つのパートに分かれます。

・表題部

・権利部(甲区)

・権利部(乙区)

・共同担保目録


表題部には、その不動産の所在地や面積などの物理的な状況などが記録されています。

権利部(甲区)には、不動産の所有権に関する事項が記録されています。

権利部(乙区)には、不動産の所有権以外の権利に関することが記録されています。

共同担保目録は、同じの債権を担保するために複数の不動産に担保権が設定されている場合に、どの不動産に担保権が設定されているかを示す目録です。


不動産の登記事項証明書1 表題部

不動産

不動産の登記事項証明書の一番上にあるのが表題部です。

表題部は、その不動産の所在地や面積などの物理的な状況などが登記されているところです。

土地の表題部には、次のような事項が記録されています。

・所在、地番

・地目

・地積

・その他


建物の表題部には、次のような事項が記録されています。

・所在、家屋番号

・種類

・構造

・床面積

・所有者

・その他


土地の表題部1 所在、地番

所在は、その土地があるところです。

地番は土地につけられている番号です。

地番は区域ごとに一番、二番と一筆の土地ごとにつけられています。

地番は、住所地とは異なります。


土地の表題部2 地目

地目とは、土地が使用されている用途です。

たとえば、宅地、山林などと記載されます。


土地の表題部3 地積

土地の面積です。平方メートルで表示されます。


土地の表題部4 その他

表題部には、他にも登記の原因と日付や登記年月日なども記録されます。


建物の表題部1  所在、家屋番号

建物の所在には、底地の地番まで記録されます。

家屋番号は、その建物に付けられた番号です。

一筆の土地に複数の建物が建っていることもあるので、他の建物と区別するために家屋番号がつけられます。


建物の表題部2 種類

種類は、建物の用途を表しています。

居宅、事務所、店舗などです。

 

建物の表題部3 構造

建物の構造です。

建物の材料、屋根の種類、階数が記録されます。

木造瓦葺2階建、鉄筋コンクリート造1階建などと記録されます。

 

建物の表題部4 床面積

建物の床面積です。

 

建物の表題部5 所有者

ここでの所有者は、登記記録が作成された時点での所有者のことをいいます。

表題部所有者ともいいます。

現在の所有者は、この所有者欄ではなく、権利部(甲区)に登記されています。

 

建物の表題部6 その他

他にも登記の原因と日付や登記年月日なども記録されます。

また車庫や物置など、主たる建物に付属する建物が「附属建物」として登記されていることもあります。

 

不動産の登記事項証明書2 権利部(甲区)

権利証

権利部(甲区)は、不動産の所有権に関する事項が登記されているパートです。

甲区には、次の事項が記録されています。

・順位番号

・登記の目的

・受付年月日・受付番号

・権利者その他の事項


権利部(甲区)1  順位番号

その不動産についての登記の申請が受け付けられた順につけられる番号です。

順位番号1番で登記されているAさんが、Bさんに売却して所有権移転の登記申請をした場合、順位番号2番でBさんの所有権が記録されます。

このように所有者が移転するごとに、新たに順位番号で登記されているので、基本的には、甲区の一番下に現在の所有権の名義人が記録されています。

ただし、所有権の一部だけ移転している場合や、一部の人の持分だけ移転しているような場合もありますので、注意が必要です。

 

権利部(甲区)2 登記の目的

登記の目的は、その不動産がどのような目的で登記されているかを表しています。

建物が新築され、最初の所有権の登記をする場合は、「所有権保存」、売買や相続などで所有権が移転した場合は、「所有権移転」と登記されます。

 

権利部(甲区)3 受付年月日・受付番号

受付年月日は、登記申請が受付された年月日です。

登記申請が受け付けられた順番に番号が付されます。これが受付番号です。

 

権利部(甲区)4 権利者その他の事項

権利者その他の事項には、所有者などの住所、氏名が登記されます。

この欄には「原因」も登記されています。

原因は、登記を行う理由となるものです。

たとえば、「売買」や「相続」などです。

原因には、売買や相続が発生した年月日も登記されます。

 

不動産の登記事項証明書3 権利部(乙区)

権利証
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権利部(乙区)は、不動産の所有権以外の権利に関することが登記されているパートです。

所有権以外の権利とは、債務が支払われない場合に、不動産を競売にかけて、そこから返済を受けるための担保権(抵当権や根抵当権など)や、他人の不動産を使用することができる用益権(賃借権、地役権、地上権など)などです。

乙区には、次の事項が記録されています。

・順位番号

・登記の目的

・受付年月日・受付番号

・権利者その他の事項


権利部(乙区)1 順位番号

その不動産についての登記の申請が受け付けられた順につけられる番号です。

所有権と異なり、抵当権や根抵当権は、同じ不動産に複数の人の権利が設定することができますので、順位が非常に重要になります。

不動産が競売された場合、第一順位の担保権者の債務が返済された後の残額が第二順位の担保権者の返済に充てられます。


権利部(乙区)2 登記の目的

登記の目的は、その登記がされた目的を表しています。

「抵当権設定」「地上権設定」などです。


権利部(乙区)3 受付年月日・受付番号

登記申請が受付された年月日と受付番号です。


権利部(乙区)4 権利者その他の事項

権利者の住所氏名や権利の内容が登記されています。

権利の内容とは、抵当権などの担保権の場合は債務者の住所氏名や債権額、利息、損害金など、賃借権などの用益権の場合は賃料や期間などです。

 

不動産の登記事項証明書4 共同担保目録

権利証

共同担保目録は、同じの債権を担保するために複数の不動産に担保権が設定されている場合に、どの不動産に担保権が設定されているかを示す目録です。

同時に複数の不動産に設定された担保権を共同担保といいます。

住宅ローンでは、普通、土地とその上の建物について共同担保が設定されますが、全く別の場所にある不動産のについても共同担保を設定することもできます。

その場合に共同担保目録を見れば、他にどの不動産が共同担保になっているかわかるということです。


登記事項証明書の取り方

登記事項証明書は法務局という役所で取ることができます。

くわしくはこちら。

・関連記事 登記事項証明書の取り方を司法書士がわかりやすく解説

 

まとめ

以上、不動産の登記事項証明書について解説しました。

当事務所は、大阪の司法書士事務所です。

登記に関する相談を承っております。お気軽にご相談ください。

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今回は以上です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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