戸籍とは何か?【簡単に言うと身分関係を記録、証明するもの】
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「戸籍とは何ですか?どんなことが記録されているのですか?」
大阪の司法書士・行政書士の田渕です。
こういった疑問にお答えします。
戸籍とは、簡単に言うと、日本国民の身分関係(出生・死亡や、親子・夫婦関係など)を記録し、それを役所が証明するものです。
この記事では、戸籍とは何かについて、わかりやすく解説します。
目次
戸籍とは何か?【簡単に言うと身分関係を記録、証明するもの】
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戸籍とは、日本国民の身分関係(出生・死亡や、親子・夫婦関係など)を記録し、それを役所が証明するものです。
似たようなものとして住民票がありますが、住民票は住所や世帯主などを記録、証明するものです。
・関連記事 住民票と戸籍謄本の違いは何か?司法書士がわかりやすく解説
日本国民の身分関係を記録するものなので、外国人については戸籍に記載されず、帰化して日本国籍を取得することで記載されるようになります。
逆に海外に住んでいる日本人は、その国の国籍を取得しない限り戸籍に記載され続けます。
戸籍の記載事項
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戸籍には主に次のようなことが記載されています。
・本籍
・戸籍の筆頭者の氏名
・戸籍に入っている人全員の氏名
・生年月日
・父母の氏名と続柄
・出生事項
・婚姻事項
住民票と違い住所は記載されていません。
しかし、戸籍とともに管理されている戸籍の附票というものに、住所地の移動の履歴が記録されています。
・関連記事 戸籍の附票とは何かわかりやすく解説します
戸籍の編製単位
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現在の戸籍は、一組の夫婦と、その夫婦と氏(苗字)が同じ子どもを一つの単位として編成されています。
子どもが結婚すると、親の戸籍から離れ、新たな戸籍が作られます。
かつての戸籍(明治31年~昭和22年)は、「家」制度をもとに、一つの家ごとに編成されていました。
そのため、一つの戸籍に、一組の夫婦と子どもだけでなく、戸主の父母、戸主の兄弟姉妹とその配偶者および子どもなど、かなり多くの人物が記載されていました。
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
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戸籍謄本とは、本籍地の役所で管理されている戸籍の全部(全員の記載事項)を写した書面のことです。
戸籍全部事項証明書ともいいます。
戸籍謄本は、相続の手続きなどに必要になります。
相続登記(相続した不動産の名義変更)などの相続の手続きにおいては、誰が相続人であるかについて証明する必要があります。
このような相続人の証明のために戸籍謄本が必要になります。
・関連記事 相続登記の手続を司法書士が解説【不動産の名義変更】
また戸籍の一部(一部の人についての記載事項)を写した戸籍抄本(戸籍一部事項証明書)というものもあります。
戸籍に記載されている人は、本籍地の役所で戸籍謄本、戸籍抄本を取得することができます。
戸籍謄本の見本はこちら。
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上記の戸籍の見本は、現在の戸籍の様式です。
過去、何度か戸籍の様式が変わってきています。
現在はコンピュータで管理されていましたが、かつてはすべて手書きで記載されていました。
過去の戸籍の様式の詳細や戸籍謄本の取得方法についてはこちらの記事をご覧ください。
・関連記事 相続に必要な戸籍謄本の集め方、古い戸籍の読み方
戸籍の種類
戸籍には次のような種類があります。
・現在戸籍
・除籍
・改製原戸籍
・関連記事 戸籍の種類まとめ 相続専門の司法書士が解説【除籍、改製原戸籍】
戸籍の種類1 現在戸籍
現在戸籍は、現在戸籍に在籍している人が記載されており、現に使用されている戸籍のことをいいます。
戸籍に入っている人全員がその戸籍から外れると、その戸籍は閉鎖され、除籍になります。
戸籍の種類2 除籍
除籍とは、結婚、養子縁組、死亡、転籍などによって、その戸籍に誰も在籍していない状態の戸籍のことです。
結婚、養子縁組、死亡などによって戸籍から外れることも除籍といいます。
その戸籍に誰も在籍していない除籍の状態になっても、すぐ廃棄されることはなく、保存期間まで保管されます。
戸籍の種類3 改製原戸籍
改製原戸籍は、「かいせいはらこせき」と読みます。
改製原戸籍とは、戸籍の様式が、法律などが改正されたことによって新たな様式の戸籍に作り替えられる前の戸籍のことです。
戸籍法の改正などによって戸籍の様式が変わると、それまでの様式で作られた戸籍は新たな様式の戸籍に作り替えられます。
そして、それまでの様式で作られた戸籍は改製原戸籍として、保管されることになります。
改製原戸籍も、除籍と同様、すぐ廃棄されることはなく、保存期間まで保管されます。
・関連記事 改製原戸籍とは?司法書士・行政書士がわかりやすく解説
戸籍には保存期間がある
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戸籍等には次の通り保存期間があります。
・通常の戸籍 除かれるまで
・除籍 150年
・改製原戸籍 150年
通常の戸籍は、在籍者がいる限り廃棄されず、その戸籍に入っている人がその戸籍からいなくなり、除籍になって除かれるまでは廃棄されることはありません。
除籍については、除籍になった年度の翌年から150年までは廃棄されません。
改製原戸籍も同様です。
ただし、平成22年6月1日に取り扱いが変更されるまでは、除籍・改製原戸籍については80年、コンピューター化による改製原戸籍は100年が保管期間になっていました。
なので、150年経過前のものであっても、取り扱い変更前に廃棄されている可能性があります。
また保管期間経過前であっても、戦争や災害などで無くなっている場合もあります。
まとめ
以上、戸籍とは何かについて解説しました。
当事務所のホームページでは、ほかにも相続についての記事を更新しています。
よろしければ、ご覧ください。
というわけで今回は以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。