一般社団法人の設立を自分でする方法【手続きの流れを解説】

「一般社団法人を設立したいと思っています。設立手続きは自分でもできるのでしょうか?」

一般社団法人を設立しようとする人

 

はい、一般社団法人の設立手続きをご自分ですることはできます。

この記事ではご自分で一般社団法人の設立手続きをしたいと思っている方に向けて、一般社団法人の設立手続きについて司法書士が解説します。


目次

一般社団法人の設立を自分でする方法【手続きの流れを解説】

一般社団法人の設立の大まかな流れは次の通りです。

  1. 一般社団法人の重要事項を決める
  2. 一般社団法人の実印をつくる
  3. 定款を作成
  4. 実質的支配者となるべき者の申告書を作成
  5. 定款と実質的支配者となるべき者の申告書を公証人に認証してもらう。 
  6. その他の必要書類を作成
  7. 法務局へ登記申請  
  8. 登記完了後に、登記事項証明書・会社の印鑑カード・印鑑証明書の交付を受ける
  9. 法人設立後の手続き


なお一般社団法人の設立に際して、行政の許認可は不要です。

株式会社と同様、公証人に定款を認証してもらい、法務局に設立登記を申請すれば一般社団法人は設立できます。

法務局への申請については、形式的な要件さえそろっていれば設立できます。

一般社団法人は、株式会社と違い資本金の制度がありません。

代わりに資金を集める制度として「基金」という制度がありますが、必ず出資しなければいけないわけではありません。

それでは、くわしく見ていきましょう。


一般社団法人の重要事項を決める

一般社団法人の重要事項を決める

はじめに、設立にあたって法人の重要事項を決めましょう。

たとえば、次のような事項です。

  1. ・設立時社員
  2. ・会員・代議員
  3. ・非営利型か普通型か
  4. ・名称 
  5. ・主たる事務所
  6. ・公告方法
  7. ・機関設計・役員    
  8. ・役員の任期
  9. ・目的
  10. ・決算期(事業年度)
  11. ・設立予定日
  12. ・基金
  13. ・公益認定を受けるか


くわしく解説します。


設立時社員

社員とは従業員の事ではなく、法人の構成員のことで、株式会社では株主にあたります。

社員は社員総会で議案を提出したり、議決に参加することができます。

設立時社員は、法人の設立手続きを行う社員のことで、株式会社では発起人にあたります。

一般社団法人の設立は、設立時社員が2人以上いる必要があります。

株式会社のように一人では設立することはできません。


会員・代議員

法人の実情に合わせて、社員以外の構成員として会員に関する規定を置くこともできます。

たとえば、定款には次のように記載することができます。

  1. ・第〇条 この法人には次の会員を置く。
    1. 正会員 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律上の社員
    2. 賛助会員 この法人の事業に賛同して入会した個人または団体

また構成員の数が多いため社員総会の開催に支障をきたす場合は、社員の中から代議員を選任し、この代議員をもって法律上の「社員」とする規定を置くことができます。


非営利型か普通型か

一般社団法人は、非営利型普通型に分かれます。

非営利型と普通型、どちらにするか決定しましょう。

非営利型と普通型では、課税対象が次のように異なります。

  1. ・非営利型 収益事業によって生じた所得に対して課税
  2. ・普通型  すべての所得に対して課税


法人税率は、どちらも23.2%(所得金額年800万円以下の金額までは19%)です。

非営利型の一般社団法人は、NPO法人とまったく同じ税制です。

普通型の一般社団法人は、株式会社とまったく同じ税制です。

なので、非営利型の一般社団法人の方が税制上有利になります。

もっとも収入と支出がほぼ同じになるようなら、法人税の心配もいらず、税金の計算も簡単なので、普通型一般社団法人の方でもいいでしょう。

非営利型の一般社団法人は税制上有利になることから、認められるための要件があります。

具体的には次の通り、非営利性が徹底された法人または、共益的活動を目的とする法人のいずれかに該当する必要があります。


非営利性が徹底された法人の要件
  1. 1 剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること。
  2. 2 解散したときは、残余財産を国・地方公共団体や一定の公益的な団体贈与することを定款で定めていること。
  3. 3 上記1及び2の定款の定めに違反する行為を行うことを決定し、又は、行ったことがないこと。
  4. 4 各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること。


共益的活動を目的とする法人の要件
  1. 1 会員に共通する利益を図る活動を行うことを目的としていること。
  2. 2 定款等に会費の定めがあること。
  3. 3 主たる事業として収益事業を行っていないこと。
  4. 4 定款に特定の個人または団体に剰余金の分配を行うことを定めていないこと。
  5. 5 解散したときにその残余財産を特定の個人または団体に帰属させることを定款等に定めていないこと。
  6. 6 上記1から5まで及び下記7の要件に該当していた期間において、特定の個人または団体に特別の利益を与えることを決定し、または与えたことがないこと。
  7. 7 各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること。


名称

一般社団法人の名称を決定します。

名前の前か後に「一般社団法人」を入れないといけません。

たとえば、「一般社団法人ABC」「ABC一般社団法人」などです。

ひらがなの「いっぱんしゃだほうじん」や、カタカナの「イッパンシャダンホウジン」にすることはできません。

そのほか名称については、使用可能な文字など、こまかいルールがあります。

くわしくは、こちらの記事をご覧ください。

  1. ・関連記事 【商業登記】会社・法人の名前を決めるときのルールや注意点を解説します


定款には、次のように記載します。

  1. ・第〇条 この法人は、一般社団法人○○と称する。


なお名称は定款の記載事項で、登記事項です。


主たる事務所

法人の住所は、主たる事務所の所在地にあるとされます(一般法人法4条)。

主たる事務所の所在地は定款の記載事項ですが、定款には市町村(特別区では区)まで決めておけばよく、町名以降は記載する必要はありません。

同じ市町村内で事務所移転した場合でも定款を変更しなくてもいいので、定款には市町村(特別区では区)のみ記載しておくことをおすすめします。

なお、登記については番地まで記載する必要があります。

定款に市町村のみ記載している場合は、具体的な所在場所を設立時社員の議決権の過半数の一致で決定しないといけません。

定款には、次のように記載します。

  1. ・第〇条 この法人は、主たる事務所を大阪市に置く。


公告方法

公告とは、法人の情報公開のことです。

一般財団法人は公告しないといけない事項が決められていますが、代表的なのは決算公告です。

一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表を公告しないといけません(一般法人法128条)。

公告方法は定款の記載事項で、登記事項です。

公告方法として、次の中から選択することになります。

  1. ・官報
  2. ・新聞
  3. ・ホームページ
  4. ・主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法


官報とは、国が発行する新聞のようなものです。

掲載するには掲載料がかかります。

新聞は、発行される場所を特定します。

公告方法は定款の記載事項です。

たとえば、次のように定款に記載します。

  1. ・第〇条 この法人の公告方法は、大阪府において発行する○○新聞に掲載する方法とする。


機関設計・役員

CEO

法人に代わって、意思を決定し、業務を執行する立場の人の事を機関といいます。

一般社団法人では、次の機関を置くことができます。

  1. ・社員総会
  2. ・理事、代表理事
  3. ・理事会
  4. ・監事
  5. ・会計監査人


社員総会

社員総会は社員で構成される機関で、法人の最高意思決定機関です。

株式会社では、株主総会に相当する機関です。

社員総会は、法人の重要事項を決定します。

社員は、社員総会に出席して平等に議決権を行使することができます。

社員総会は、絶対に置かないといけません。


理事、代表理事

理事は、法人の業務を執行する機関です。

株式会社では取締役に相当する機関です。

理事会を置く場合は、理事は3人以上おかなければいけません。

理事会を置かない場合は、理事は1人でも構いません。

理事が2人以上いる場合には、法人の業務は定款に別段の定めがある場合を除いて、理事の過半数をもって決定します(一般法人法76条2項)。

理事は、ほかに代表理事を定めた場合を除いて、法人を代表します(一般法人法77条2項)。

また、次のいずれかの方法で理事の中から代表理事を定めることができます。

  1. ・定款
  2. ・定款の定めに基づく理事の互選
  3. ・社員総会の決議


理事会を置く法人では、理事会が理事の中から代表理事を選定しないといけません(一般法人法90条3項)。


理事会

理事会はすべての理事で構成される機関で、法人の業務執行の決定や、理事の監督、代表理事の選定や解職を行います(一般法人法90条2項)。

株式会社では、取締役会にあたる機関です。

理事会を置くかどうかは任意です。


監事

監事は、理事の職務を監査する機関です(一般法人法99条1項)。

いわばお目付け役です。

株式会社では監査役に相当する機関です。

一般社団法人は、監事を置くことができます(一般法人法60条2項)。

理事会を置く法人や、会計監査人を置く法人は監事を置かなければいけません(一般法人法61条)。


会計監査人

会計監査人は、法人の計算書類と附属明細書を監査します。

会計監査人は、公認会計士または監査法人でないといけません。

大規模一般社団法人(最終事業年度の貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が、200億円以上である法人)は会計監査人を置かないといけません。

新設の一般社団法人が会計監査人を置くことは一般的ではありません。


一般社団法人の機関設計のパターン

一般社団法人の機関設計のパターンは、次の5つです。

  1. ①社員総会+理事
  2. ②社員総会+理事+監事
  3. ③社員総会+理事+監事+会計監査人
  4. ④社員総会+理事+理事会+監事
  5. ⑤社員総会+理事+理事会+監事+会計監査人


どのパターンの機関設計にするか決定します。

会計監査人を置くことは一般的ではないので、①②④の中から決定することになります。

機関設計が決まったら、具体的に誰を理事などの役員にするか決めます。


役員の任期

理事の任期は2年(選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで)となっています(一般法人法66条1項)。

ただし定款または社員総会の決議で、その任期を短縮することができます。

任期を2年より長くすることはできませんので注意してください。

 

監事の任期は4年(選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで)となっています(一般法人法67条1項)。

ただし理事と任期が異なると運営しにくい場合もあるため、理事と同じく2年(選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで)とすることができます。

会計監査人の任期は約1年(選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで)です。

会計監査人の任期は短縮も伸長もできません。


目的

「目的」とは、法人が行う予定の事業の内容のことです。

一般社団法人は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律に反していない限り、目的に制限はありません。

ただし目的はわかりやすく明確でないといけません。

明確とは、意味が明瞭で一般の人からみて理解可能なことです。

ローマ字による用語や専門用語などを使用する場合、それが社会一般に認知されていないときは、明確でないとして登記できない可能性があります。

ローマ字による用語や専門用語などを使う場合は、括弧書きでその用語を説明するようにするといいでしょう。

また法律に反する、または公序良俗に反する事業を目的とすることはできません。


決算期(事業年度)

事業年度(決算期)を決定します。

定款には次のように記載します。

  1. (事業年度)
  2. 第〇条 当法人の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月末日までの年1期とする。


事業年度は、登記事項ではありません。


設立予定日

一般社団法人の設立日は、設立登記を申請した日になります。

法務局が閉まっている土日祝日や年末年始などを設立日にすることはできません。

また会社の設立には準備期間(ケースによって異なりますが、2、3週間くらい)が必要なので、設立日にこだわる場合は、余裕をもって予定日を決めておきましょう。


基金

基金

基金とは、一般社団法人に拠出された金銭などの財産で、一般社団法人と拠出者の合意に従って返還義務を負うものです。

基金の返還については、利息を付けることはできません(一般法人法143条)。

一般社団法人にとっては、寄付や借入金以外の活動資金の原資になるものです。

株式会社の株式とは違い、拠出者に配当することはできません。

基金の規定を置くかどうかは任意です。

基金の規定を置く場合、定款には次のように記載します。

  1. (基金を引き受ける者の募集)
  2. 第〇条 当法人は、基金を引き受ける者の募集をすることができる。
  3.  
  4. (基金を拠出した者の権利に関する規定)
  5. 第〇 条拠出された基金は、基金を拠出した者と合意した期日までは返還しない。
  6.   
  7. (基金の返還の手続き)
  8. 第〇条 基金の返還は、定時社員総会において返還すべき基金の総額について決議を経た後、代表理事が決定したところに従ってする。


公益認定を受けるか

一般社団法人は公益認定を受けることで公益財団法人になることができます。

公益社団法人はいきなり設立することはできず、一般社団法人を設立してから公益認定を受けることで公益社団法人になることができます。

公益認定を受けるには要件があるので、公益認定を受ける予定がある場合は、設立する段階から計画しておいたほうがいいでしょう。

公益社団法人は非営利型法人と同じく収益事業から生じた所得だけが課税対象ですが、さらに公益社団法人はその収益事業が、公益目的事業と認定されたときは非課税になります。

公益社団法人は税制の優遇が受けられるだけでなく、社会的にも信用されます。

しかし行政庁の監督を受け、毎年認定基準をクリアしないといけません。


公益認定の要件

公益認定の要件は次の通りです。

  1. 1 公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること。
  2. 2 公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。
  3. 3 その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること。
  4. 4 その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでない。
  5. 5 投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。
  6. 6 その行う公益目的事業について、当該公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額を超えないと見込まれるものであること。
  7. 7 公益目的事業以外の事業(以下「収益事業等」という。)を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
  8. 8 その事業活動を行うに当たり、公益認定法第十五条に規定する公益目的事業比率が百分の五十以上となると見込まれるものであること。
  9. 9 その事業活動を行うに当たり、公益認定法第十六条第二項に規定する遊休財産額が同条第一項の制限を超えないと見込まれるものであること。
  10. 10 各理事について、当該理事及びその配偶者又は三親等内の親族(これらの者に準ずるものとして当該理事と政令で定める特別の関係がある者を含む。)である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。監事についても、同様とする。
  11. 11 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く。)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。監事についても、同様とする。
  12. 12 会計監査人を置いているものであること。ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。
  13. 13 その理事、監事及び評議員に対する報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいう。以下同じ。)について、内閣府令で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。
  14. 14 一般社団法人にあっては、次のいずれにも該当するものであること。
  15. イ 社員の資格の得喪に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをする条件その他の不当な条件を付していないものであること。
  16. ロ 社員総会において行使できる議決権の数、議決権を行使することができる事項、議決権の行使の条件その他の社員の議決権に関する定款の定めがある場合には、その定めが次のいずれにも該当するものであること。
  17. (1) 社員の議決権に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをしないものであること。
  18. (2) 社員の議決権に関して、社員が当該法人に対して提供した金銭その他の財産の価額に応じて異なる取扱いを行わないものであること。
  19. ハ 理事会を置いているものであること。
  20. 15 他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること。ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでない。
  21. 16 公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨並びにその維持及び処分の制限について、必要な事項を定款で定めているものであること。
  22. 17 公益認定法第二十九条第一項若しくは第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、公益目的取得財産残額(第三十条第二項に規定する公益目的取得財産残額をいう。)があるときは、これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一箇月以内に類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは次に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与する旨を定款で定めているものであること。
  23. イ 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人
  24. ロ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人
  25. ハ 更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)第二条第六項に規定する更生保護法人
  26. ニ 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人
  27. ホ 国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人又は同条第三項に規定する大学共同利用機関法人
  28. ヘ 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人
  29. ト その他イからヘまでに掲げる法人に準ずるものとして政令で定める法人
  30. 18 清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは前号イからトまでに掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に帰属させる旨を定款で定めているものであること。


公益社団法人の欠格事由

次のいずれかに該当する場合は、公益認定を受けることはできません。

  1. 1 その理事、監事及び評議員のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの
  2. イ 公益法人が第二十九条第一項又は第二項の規定により公益認定を取り消された場合において、その取消しの原因となった事実があった日以前一年内に当該公益法人の業務を行う理事であった者でその取消しの日から五年を経過しないもの
  3. ロ この法律、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項及び第三十二条の十一第一項の規定を除く。)に違反したことにより、若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二第一項、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条、第二条若しくは第三条の罪を犯したことにより、又は国税若しくは地方税に関する法律中偽りその他不正の行為により国税若しくは地方税を免れ、納付せず、若しくはこれらの税の還付を受け、若しくはこれらの違反行為をしようとすることに関する罪を定めた規定に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
  4. ハ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
  5. ニ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(第六号において「暴力団員等」という。)
  6. 2 第二十九条第一項又は第二項の規定により公益認定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しないもの
  7. 3 その定款又は事業計画書の内容が法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反しているもの
  8. 4 その事業を行うに当たり法令上必要となる行政機関の許認可等(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第三号に規定する許認可等をいう。以下同じ。)を受けることができないもの
  9. 5 国税又は地方税の滞納処分の執行がされているもの又は当該滞納処分の終了の日から三年を経過しないもの
  10. 6 暴力団員等がその事業活動を支配するもの


一般社団法人の実印をつくる

重要な事項を決めたら、次に法人の実印をつくります。

制度上は会社の印鑑届について任意になりましたが、まだまだ金融機関などから印鑑証明書の提出を求められることが多いですので実印を作る必要があります。

  1. ・関連記事 会社の印鑑届は必要?【制度上は任意になりましたが、実際は届出必須】


定款を作成

定款

定款を作成します。

定款とは、法人の根本的な規則です。

定款は書面または電子データで作成します(会社法26条)。

定款は書面で作成した場合は、設立時社員または代理人が押印する必要があります。

電子データで作成した場合は、設立時社員または代理人が電子証明書で電子署名する必要があります。

電子データで作成した方が、印紙代4万円が不要になりますが、電子証明書が必要になります。

電子証明書がない場合は、司法書士に依頼することが一般的です。


一般的な法人の定款のひな形を用意しましたので、ご利用ください。

理事会を置かない最小限の法人の定款と、理事会を設置する法人の定款の2つあります。

  1. 定款 理事会を置かない法人
  2. 定款 理事会を置く法人


定款に、はじめに決定した設立事項などを記載していきます。

ちなみに定款には、次の記載事項があります。

  1. ・絶対的記載事項
  2. ・相対的記載事項
  3. ・任意的記載事項


絶対的記載事項

絶対的記載事項とは、その記載がないと定款自体が無効になるものです(一般法人法11条1項)。

以下の事項が絶対的記載事項です。

  1. 1 目的
  2. 2 名称
  3. 3 主たる事務所の所在地
  4. 4 設立時社員の氏名又は名称及び住所
  5. 5 社員の資格の得喪に関する規定
  6. 6 公告方法
  7. 7 事業年度


相対的記載事項

相対的記載事項は、記載しなくても定款自体は無効にはならないが、定款に定めていないと効力が発生しない事項です。

以下の事項などが相対的記載事項です。

  1. 1 社員総会以外の機関(理事会・監事・会計監査人)の設置
  2. 2 理事等の損害賠償責任の免除に関する定款の定め
  3. 3 非業務執行理事会等の責任限定契約
  4. 4 存続期間・解散の事由 
  5. など

 

任意的記載事項

任意的記載事項とは、定款に記載しても、しなくてもいい事項です。

記載がなくても定款自体が無効になるわけではなく、定款に記載していなくても効力が否定されるわけでもありません。

なお、社員に剰余金または残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは無効です(一般法人法11条)。


実質的支配者となるべき者の申告書を作成

定款と同時に実質的支配者となるべき者の申告書を作成します。

実質的支配者となるべき者の申告書は、暴力団や国際テロリストなどの反社会的勢力による法人の不正使用などを防ぐために提出する書類です。

法人設立の時に実質的支配者となるべき者について、その氏名、住居及び生年月日等と、その者が暴力団員及び国際テロリストに該当するか否かを公証人に申告します。

申告書の書式を用意しましたので、ダウンロードしてください。

  1. 実質的支配者となるべき者の申告書


定款と実質的支配者となるべき者の申告書を公証人に認証してもらう。

公証役場

定款と実質的支配者となるべき者の申告書を公証人に認証してもらいます。

定款は、公証人に認証してもらわないと効力を生じません(一般法人法13条)。

設立時社員の全員で公証役場に行くのは大変なので、司法書士に依頼するか、社員のうちの一人へ委任することが一般的です。

設立時社員の一人に委任する場合、委任状が必要になります。

委任状のひな形はこちらです。

  1. 定款認証用委任状


委任状には、設立時社員全員が実印で押印する必要があります。

以前は公証役場まで出向いて公証人の面前で本人確認する必要がありましたが、現在はテレビ電話を使って定款認証することができます。

次の場合に、テレビ電話認証を利用できます。

  1. ・設立時社員が電子定款に電子署名して、自らオンライン申請する場合
  2. ・設立時社員が委任状に電子署名して、定款作成代理人(司法書士など)がオンライン申請する場合


上記の通り、テレビ電話認証を利用するには、電子証明できる環境が必要になります。

テレビ電話認証手続きの手順は次の通りです。

  1. 事前に、定款の案を公証役場にメールして事前調査を受ける
  2. テレビ電話による認証の希望日時を予約する
  3. 公証人から日時とテレビ電話用のURLがメールで届く
  4. 予約当日までに、認証を受ける電子定款をオンライン申請します


予約日時に公証人からのメールに記載されたURLをクリックすると、公証人とつながりますので、本人確認のため、免許証などの顔写真付きの公的機関発行の身分証明書を画面に提示します。

公証人が本人確認を行って、認証を行っても問題ないと判断すると、電子定款に認証して認証済み電子定款を送信してくれます。

公証人の手数料はネットバンキング等で支払います。

公証人の手数料は、5万円(電子定款ではない場合は、印紙4万円分を加えて9万円)です。

また、定款の謄本の発行手数料は、謄本1枚につき250円かかります。

謄本は3枚ほど請求しておきましょう。


その他の必要書類を作成

書類

そのほかの登記に必要な書類を作成します。

一般的な必要書類は次の通りです。

  1. 1 定款
  2. 2 設立時社員の決議書
  3. 3 設立時代表理事選定書
  4. 4 役員の就任承諾書
  5. 5 印鑑証明書
  6. 6 本人確認証明書
  7. 7 委任状


1 定款

定款は、すでに説明した通りです。


2 設立時社員の決議書

定款で設立時理事や設立時監事を定めなかったときは、設立時社員は公証人の認証の後、設立時理事、設立時監事を決定しないといけません。

また主たる事務所の所在地について、定款に市町村のみ記載している場合は、設立時社員は具体的な所在場所を決定しないといけません。

設立時理事・監事の選任や、主たる事務所の所在地の決定を証明するために、設立時社員の決議書が設立登記の添付書類になります。

ひな形はこちらです。法人の実情に合わせて作成してください。

 ・設立時社員の決議書


3 設立時代表理事選定書

理事会を置く法人は、設立時理事の過半数をもって、設立時の代表理事を選定しないといけません(一般法人法21条)ので、設立時代表理事を選定したことを証明するために、設立時代表理事選定書を添付します。

ひな形はこちらです。法人の実情に合わせて作成してください。

 ・設立時代表理事選定書


4 役員の就任承諾書

役員の就任承諾書のひな形はこちらです。

 ・就任承諾書


理事会を置かない一般社団法人は、設立時理事の実印の押印が必要です。

 

理事会を置く会社は、設立時代表理事は、実印の押印が必要です。代表ではない設立時理事は認印で大丈夫です。


5 印鑑証明書

理事会を置かない一般社団法人は、理事の就任承諾書に押印した印鑑につき、理事個人の印鑑証明書が添付書類になります。

理事会を置く一般社団法人は、代表理事の就任承諾書に押印した印鑑につき、代表理事個人の印鑑証明書が添付書類になります。


6 理事、監事の本人確認証明書

理事、監事の本人確認証明書が必要になります。

ただし上記の印鑑証明書を添付する人については、別途本人確認証明書は不要です。

本人確認証明書とは、たとえば次の書面です。

  1. ・住民票の写し(個人番号が記載されていないもの)
  2. ・戸籍の附票
  3. ・住基カード(住所が記載されているもの)のコピー
  4. ・運転免許証等のコピー
  5. ・マイナンバーカードの表面のコピー


住基カードと運転免許証は、裏面もコピーして本人が「原本と相違がない」と記載して、記名する必要があります。

マイナンバーカードは表面だけコピーして、本人が「原本と相違がない」と記載して、記名する必要があります。


7 委任状

代理人によって登記を申請するときは、委任状が必要になります。

  

8 印鑑届書

印鑑届書は、法人の実印を届け出る際に必要な書類です。

会社の実印は、会社の代表者が届出すること、また会社が契約するときに押印するものであることから代表印ともいいます。

印鑑届書は、厳密には設立登記の添付書類ではありませんが、登記申請書と同時に提出するものです。

法人の代表者が数人ある場合、全員が印鑑届書を出してもいいですし、そのうちの一人が提出してもいいです。

しかし、法人の代表者が数人ある場合でも、各代表者が同じ印鑑を提出することはできません。

印鑑届書のひな形はこちらです。

  1. 印鑑届書


印鑑届出書の記載例もご覧いただき、記載してください。

  1. 印鑑届書 記載例


法務局へ登記申請

法務局

書類がそろったら、いよいよ申請です。

法務局という役所に申請します。

申請した日が法人の設立日になりますので、設立日にこだわる場合は注意してください。

どこの法務局に申請してもいいわけではありません。

法務局には、主たる事務所の所在地によって管轄が決まっています。

管轄は、法務局のホームページで確認できます。

  1. ・外部リンク 管轄のご案内


申請する方法は3つあります。

  1. ・窓口で申請する
  2. ・郵送で申請する
  3. ・オンラインで申請する


窓口で申請する

申請書と集めた書類一式を、法務局の窓口に持っていく方法です。

申請書のひな形はこちらです。

  1. 一般社団法人設立登記申請書


登記すべき事項は、別紙に記載します。

また、登記すべき事項はCD-Rなどに記録して提出することもできます。

別紙のひな形はこちらです。

  1. 別紙


登録免許税は、法人の規模にかかわらず一律で6万円です。

登録免許税は、収入印紙で納付します。

台紙に収入印紙を貼り付けて、申請書と添付書類と一緒に提出します。

申請書や収入印紙を貼った台紙が2枚以上にわたる場合は、各ページのつづり目に契印(割印)が必要です。

窓口で申請する方法は、法務局の窓口は、平日の午前8時30分から午後5時15分までしか開いていないことが多いのが難点です。


郵送で申請する

書類一式を、郵送する方法です。

平日に時間が取れない方でも、申請できます。

普通郵便ではなく、書留郵便もしくはレターパックで郵送します。


オンラインで申請する

オンラインで申請する方法です。

専用のソフト「申請用総合ソフト」を使って申請します。

  1. ・外部リンク 申請用総合ソフトとは


オンラインで申請する場合でも、印鑑証明書などは紙なので、郵送するか、窓口に持っていく必要があります。


登記完了後、登記事項証明書・会社の印鑑カード・印鑑証明書の交付を受ける

登記申請後、1~2週間ほどすれば登記が完了し、一般社団法人の設立が完了します。

一般社団法人の設立が完了した後、履歴事項証明書・会社の印鑑カード・印鑑証明書の交付を受けます。


登記事項証明書

登記事項証明書とは、登記の内容を法務局が証明する書面です。

一般社団法人の設立が完了した後に、法務局で取得することができます。

登記事項証明書の交付申請書のひな形はこちらです。

  1. 登記事項証明書交付申請書


申請書には、申請者の住所、氏名と一般社団法人の名称、主たる事務所を記載します。

請求事項の欄は、特段の理由がない限り①全部事項証明書の履歴事項証明書の□にチェックを入れましょう。

登記事項証明書はオンラインでも請求できます。

くわしくは法務省のサイトをご覧ください。

  1. ・外部リンク 登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です


印鑑カード

印鑑カードは、一般社団法人の実印の印鑑証明書を取得するときに必要になるカードです。

印鑑カード
印鑑カード

印鑑カードを取得するには、印鑑カード交付申請書を法務局に提出する必要があります。

印鑑カード交付申請書のひな形はこちらです。

  1. 印鑑カード交付申請書


印鑑カードは、交付申請書を提出して、5~10分ほどで発行してもらえます。

印鑑カードは紛失しないように気をつけてください。


印鑑証明書

印鑑証明書を請求するには、交付申請書と印鑑カードを提出してします。

交付申請書のひな形はこちらです。

  1. 印鑑証明書交付申請書


印鑑カードを発行してもらった後に申請しましょう。


法人設立後の手続き

一般社団法人設立後の手続きとして、税金関係、社会保険関係、労働保険関係の届出があります。


税金関係

一般社団法人設立後に必要な税金関係の届出として、次のようなものがあります。

  1. ・法人設立届出書
  2. ・給与支払事務所等の開設届出書
  3. ・法人設立・事務所等開設申告


また場合によっては、次のような手続きが必要になります。

  1. ・法人青色申告承認申請書
  2. ・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
  3. ・棚卸資産の評価方法の届出
  4. ・申告期限の延長の特例申請書
  5. ・消費税の新設法人に該当する旨の届出書
  6. ・消費税の特定新規設立法人に該当する旨の届出書
  7. ・消費税課税事業者選択届出書
  8. ・消費税簡易課税制度選択届出書


社会保険関係

一般社団法人設立後に必要な社会保険関係の届出として、次のようなものがあります。

  1. ・健康保険、厚生年金保険新規適用届
  2. ・健康保険、厚生年金保険被保険者資格取得届


労働保険関係

一般社団法人設立後に必要な労働保険関係の届出として、次のようなものがあります。

  1. ・労働保険 保険関係成立届
  2. ・労働保険 概算保険料申告書
  3. ・雇用保険 適用事業所設置届
  4. ・雇用保険 被保険者資格取得届


一般社団法人の設立手続きを専門家に依頼する場合

面倒くさくて時間もかかりますが、一般社団法人の設立手続きを自分で手続きをすることは十分可能です。

しかし、法人立ち上げの時期は他にもいろいろとやることも多く、そのような事務作業に時間を割くことができない方も多いと思います。

そのような場合は、司法書士に設立手続きを依頼することができます。

面倒な設立手続きを司法書士に依頼すれば、経営に専念することができます。

司法書士に依頼すると、定款作成から登記申請の代理まですべて任せることができます。

書類に署名押印するだけでよく、自分で公証役場や法務局に行く必要はありません。

司法書士以外に、税理士や行政書士が法人設立手続きを行うと宣伝している場合がありますが、税理士や行政書士は登記申請を代理することはできません。

書類を作成してもらっても、登記申請はご自分で行う必要があります。

税理士や行政書士が登記申請まで行うのは違法になりますので、ご注意ください。


まとめ

以上、一般社団法人を設立する手続きの流れを解説しました。

一般社団法人の設立は、当事務所でも承っております。

顧問契約不要で法人設立手続きをさせていただきます。


それでは今回はこの辺で。

ここまでお読みいただきありがとうございました。