戸籍謄本に除籍という記載が 除籍とは何か?司法書士が解説
「相続手続きには被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本が必要と聞いたので、役所で戸籍謄本を取り寄せたのですが、戸籍謄本の欄外に『除籍』と記載されていました。除籍とは何ですか?」
大阪の司法書士・行政書士の田渕です。こういった疑問にお答えします。
戸籍において、除籍には二つの意味があります。
一つは婚姻、死亡、養子縁組などで戸籍に記載されている人が、戸籍から除かれること。
もう一つは、戸籍に記載されている人全員が、婚姻、死亡、養子縁組、転籍などにより戸籍いなくなり、最終的に誰もいなくなった戸籍のことをいいます。
この記事では、戸籍における除籍について司法書士がわかりやすく解説します。
戸籍謄本に除籍という記載が 除籍とは何か?司法書士が解説
戸籍においては、除籍には次の二つの意味があります。
1 婚姻、死亡、養子縁組などで戸籍に記載されている人が、戸籍から除かれること
2 戸籍に記載されている人全員が、婚姻、死亡、養子縁組、転籍などにより戸籍いなくなり、最終的に誰もいなくなった戸籍のこと
婚姻、死亡、養子縁組などで戸籍に記載されている人が、戸籍から除かれることを除籍といいます。
戸籍に記載されている人が亡くなると、死亡した旨が戸籍に記載され、その人は戸籍から除かれます。
また、戸籍に記載されている人が婚姻した場合も、元々の戸籍からは除かれます。
現在の戸籍制度では、一組の夫婦と、その夫婦と氏(苗字)が同じ子どもを一つの単位として編成されているからです。
そのため親の戸籍に入籍している子どもが結婚すると、新たに夫婦の戸籍が作られ、親の戸籍からは除籍されるのです。
また、戸籍に記載されている人全員が、婚姻、死亡、養子縁組、転籍などにより戸籍いなくなり、最終的に誰もいなくなった戸籍のことも除籍といいます。
下記のように謄本の冒頭に記載されている「除籍」は、この意味です。
一部の人だけが除かれているだけで、一人でも残っている場合は除籍ではなく、「戸籍」です。
除籍は、誰もいなくなったからといってすぐに廃棄されるわけではありません。
戸籍が除籍になった場合、除籍簿に綴られて所定の期間、保管されることになります。
除籍になったとしても、除籍を証明する書類を市区町村の役所に請求することができます。
除籍に記載されている事項を証明した書類を除籍謄本、除籍抄本といいます。
・除籍謄本 除籍に記載されている事項の全部を記載したもの
・除籍抄本 除籍に記載されている事項の一部を記載したもの
除籍謄本は何に使う?
除籍謄本は相続手続きなどに使われます。
相続手続きでは、相続人が誰なのかを証明するため、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までのすべての、戸籍謄本、除籍謄本などが必要になります。
くわしくはこちら。
・関連記事 相続に必要な戸籍謄本の集め方、古い戸籍の読み方
まとめ
以上、除籍について解説しました。
まとめると次の通り。
・婚姻、死亡、養子縁組などで戸籍に記載されている人が、戸籍から除かれることを除籍という
・戸籍に記載されている人全員がいなくなった戸籍のことも除籍という
・除籍謄本は相続手続きなどに使用され、相続人を証明する書類として必要となる
というわけで今回は以上です。
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