名前変更の手続き|流れ・必要書類をわかりやすく解説

「家庭の事情で名前を変えたいけど、どう手続きすればいいでしょうか?」
大阪の司法書士の田渕です。こういった疑問にお答えします。
この記事では、名前変更の手続きや必要書類、注意点をわかりやすくまとめました。
なお、名字の変更については、こちらをご覧ください。
・関連記事 名字変更の手続きとは?家庭裁判所で認められるケースと流れを解説
名前変更の手続き|流れ・必要書類をわかりやすく解説

戸籍上の名前は、家庭裁判所の許可を得て、変更することができます。
ただし、名前の変更は、「正当な事由」がある場合にのみ許可されます。
どういう場合が、正当な事由にあたるかは家庭裁判所の判断によります。
たとえば、トランスジェンダーの方で性自認が女性である方が戸籍上の名前が「太郎」というような場合は、認められる可能性は高いかと思います。
姓名判断の結果が良くないとか、単なる思いつきなどの理由では認められない可能性もあります。
戸籍上の名前を変更する場合、「名の変更許可申立書」と必要書類を集めて家庭裁判所に提出する必要があります。
名前変更の手続きの流れ
名前変更する場合、次のような流れになります。
名前変更の必要書類の準備
↓
家庭裁判所へ申立て
↓
裁判所での審理
↓
審判
↓
市区町村役場での手続き
氏名変更の手続きの流れ1 名前変更の必要書類の準備

名前変更の必要書類は次のとおりです。
・名の変更許可申立書
・申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
・理由を証明する資料
・収入印紙・切手
名前変更の必要書類1 名の変更許可申立書
名の変更許可申立書の書式はこちら。
申立人の氏名・住所・生年月日・本籍・職業、申立ての趣旨、申立ての理由を記載します。
申立人は、名の変更しようとする本人です。
その本人が15歳未満の場合は、両親などの法定代理人が代理します。
申立の趣旨は、たとえば「申立人の名『太郎』を『一郎』と変更することを許可するとの審判を求める」などと記載します。
申立ての理由には、名前を変更しないといけない理由を具体的に記載します。
たとえば、次のよう記載します。
1 申立人は、小学校6年生の女子である。戸籍上は「花子」となっているが、幼稚園入園時から通称として「華子」の名を使用してきた。
2 現在、学校の友人や近所の人々の間では「華子」として認識されている。
3 今後の学校生活や就職のことを考えると、戸籍名では不便なので、申立ての趣旨のとおり審判を求める。
内容はそれぞれの事情にあわせて具体的に記載します。
名前変更の必要書類2 申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
戸籍謄本はお近くの市役所で取得することができます。
名前変更の必要書類3 名前変更の理由を証明する資料
氏名変更の理由を証明する資料が必要になります。
たとえば、次のようなものがこれにあたります。
・学校の証明書、会社での名札、郵便物など通称使用を裏付ける資料
・医師の診断書(性同一性障害などの場合)
・その他、社会生活に支障があることを説明できるもの
名前変更の必要書類4 収入印紙・切手
収入印紙800円が必要になります。収入印紙は、名の変更許可申立書に貼付します。
また裁判所指定の郵便切手(数百円〜1,000円程度)が必要になります。いくら必要になるかは裁判所に問い合わせれば教えてくれます。
名前変更の手続きの流れ2 家庭裁判所に必要書類を提出

必要書類を集めたら、家庭裁判所に提出します。申立先は申立人の住所地を管轄する家庭裁判所です。
たとえば大阪市の場合は、大阪家庭裁判所になります。
家庭裁判所の管轄はこちらで確認しましょう。
・外部リンク 裁判所の管轄区域
提出は家庭裁判所に直接持っていくほか、郵送でも可能です。
名前変更の手続きの流れ3 裁判所での審理
申立がされると、家庭裁判所で審理されます。
名前変更の手続きの流れ4 審判
名前の変更につき正当な事由があると判断されれば、名の変更の許可の審判がされ、「名の変更許可審判書謄本」という書類が送達されます。
名前変更の手続きの流れ5 市区町村役場で氏名変更の届出
名の変更許可の審判がされた後は、申立人の本籍地または住所地の市区町村の役所に名の変更届をします。
名の変更届には、名の変更許可審判書謄本を添付します。
・外部リンク 大阪市 名の変更届
この届出により、申立人の戸籍上の名前が変更後の名前になります。
戸籍には、変更日と変更前の名前が記載されます。
氏名変更の書類作成の注意点

氏名変更の書類作成には下記のような注意点があります。
・理由欄は具体的に書くことが重要
・添付資料の有無で結果が変わる
・性別変更の申立てもする場合は、同時に申立することができる
氏名変更の書類作成の注意点1 理由欄は具体的に書くことが重要
「名前が嫌だから」というような抽象的な理由では認めらない可能性があります。
いじめの実例や長年の通称使用など、社会生活に影響している事実を丁寧に説明する必要があります。
氏名変更の書類作成の注意点2 添付資料の有無で結果が変わる
例えば「職場でも通称で呼ばれている」ことを示す書類があれば、許可されやすくなります。
氏名変更の書類作成の注意点3 性別変更の申立てもする場合は、同時に申立することができる
性別変更の申立もする場合、氏名変更の申立と同時にすることもできます。
司法書士などの専門家に依頼するメリット

裁判所に提出する書類は法律文書にあたるため、初めての方には難しく感じられることも多いです。
そのような場合は司法書士などの専門家に依頼することをお勧めします。
大阪の方なら当事務所でも承っております。
当事務所にご依頼したいただくと、次のようなメリットがあります。
・裁判所に提出する申立書を法律に則って丁寧に作成し、不備による手続きの遅れを防ぐことができます。
・許可が下りやすいように、理由の記載や証拠資料の整理といった面でしっかりサポートいたします。
・戸籍謄本など煩雑になりがちな書類の取り寄せもサポートしますので、面倒な手続きから解放されます。
・安心できる相談体制:初回相談は無料。ご事情を丁寧に伺いながら、安心して一歩を踏み出せるようにサポートします。
・プライバシー厳守:氏名の変更というデリケートな問題に関して、秘密厳守で対応いたします。
初回相談無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら。
・電話 06-6356-7288
まとめ
以上、氏名変更の手続きについて解説しました。まとめると次の通り。
・氏名変更の手続は家庭裁判所で行う
・氏名変更が認められるためには理由の記載が重要
・審判が確定した後に役所に届け出することで戸籍上の名前が変更される
今回は以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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