(2024年版)遺贈と死因贈与の違いを司法書士がわかりやすく解説

遺贈と死因贈与どちらがいいかわからない人

「自分が亡くなった後、私名義の不動産を事実婚の妻にあげたいと思っています。その場合、遺贈と死因贈与の2つの方法があると聞きました。遺贈と死因贈与はどう違うのですか?」

 
 
 
 

大阪の司法書士の田渕です。こういった疑問にお答えします。

遺贈とは、遺言で贈与することです。

死因贈与とは、自分が亡くなった時に財産を贈与する契約です。

遺贈も死因贈与も自分が亡くなった時に財産を処分する行為なので、似ている点が多いですが、違いもあります。

この記事では、遺贈と死因贈与の違いについてわかりやすく解説します。


(2024年版)遺贈と死因贈与の違いを司法書士がわかりやすく解説

遺贈と死因贈与の違いを司法書士がわかりやすく解説

遺贈も死因贈与も相続税の対象になりますので、相続税については違いはありません。

一方、遺贈と死因贈与には次のような違いがあります。

・不動産登記にかかる登録免許税

・単独行為か契約か

・方式の違い

・撤回についての制限

・仮登記できるか


遺贈と死因贈与の違い1 不動産登記にかかる登録免許税

遺贈と死因贈与の違い

登録免許税とは、不動産登記をする際にかかる税金です。

不動産を遺贈または死因贈与する場合、登録免許税がかかります。

相続人に対する遺贈の登録免許税は、1000分の4、相続人以外に人への遺贈の場合は1000分の20です。

一方、死因贈与の登録免許税は、相続人への贈与であっても1000分の20です。


遺贈と死因贈与の違い2 単独行為か契約か

遺贈は、遺言を書く人が単独ですることがきます。

なので、財産を受ける人の承諾は要りません。

ただし、財産を受ける人は遺贈を放棄することができます。

一方、死因贈与は贈与する人と贈与を受ける人の契約なので、贈与を受ける人の承諾が要ります。


遺贈と死因贈与の違い3 方式の違い

遺贈と死因贈与の違い

遺贈は、法律で決められた方式で作成する必要があり、この方式で作成されていないと遺言が無効になる可能性があります。

 ・関連記事 遺言書の書き方【遺言書の例文と気を付けるポイント】


一方、死因贈与は方式の定めはありません。

ですが、死因贈与の効力が発生するのは、贈与する人が亡くなった後なので、死因贈与契約書を作成しておくのが一般的です。

もし、遺言が形式に不備があり無効となった場合でも死因贈与として有効になる可能性があります。


遺贈と死因贈与の違い4 撤回についての制限

遺贈は、遺言を書いた人が自由に撤回することができます。

一方、死因贈与は一定の場合に撤回が制限されます。


遺贈と死因贈与の違い5 仮登記できるか

不動産を贈与する場合、遺贈の場合は仮登記できませんが、死因贈与の場合、仮登記をすることができます。

仮登記とは、将来に行われる本登記のためにあらかじめ登記上の順位を確保するための登記です。

死因贈与は、贈与する人が亡くなって効力が発生するため、生前のうちに本登記することはできませんが、亡くなった後に本登記することを前提に仮登記をすることができます。

くわしくはこちら

 ・関連記事 死因贈与契約による仮登記の申請方法をわかりやすく解説


遺贈と死因贈与どちらがいい?

司法書士

遺贈と死因贈与どちらがいいかは、ケースバイケースです。

どちらがいいか悩む場合は、司法書士などの専門家に相談してみましょう。

大阪周辺の方なら当事務所でも承っています。

当事務所は、大阪の司法書士・行政書士事務所です。

遺言や死因贈与について適切にアドバイスさせていただきます。

当事務所の遺言書作成サポートサービスの詳細はこちら

 ・関連記事 田渕司法書士・行政書士事務所の遺言書作成サポートサービス


まとめ

以上、遺贈と死因贈与の違いについて解説しました。

遺贈と死因贈与の違いをまとめると次の通り。

・登録免許税が、相続人への遺贈は4/1000、死因贈与は20/1000

・遺贈は単独行為、死因贈与は契約

・遺贈は法律で決められた方式で作成する必要がある、死因贈与は方式の定めなし

・遺贈は、遺言を書いた人が自由に撤回することができる。死因贈与は一定の場合に撤回が制限される

・不動産を贈与する場合、遺贈は仮登記できないが、死因贈与は仮登記できる。


ということで今回は以上です。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

 

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