株主総会の招集通知の方法を解説します【招集通知のひな形】

「会社を設立してから初めて株主総会を開催します。株主総会の招集通知の手続きを教えてもらえますか?」

株主総会の招集通知で悩んでいる経営者

 

こういった疑問にお答えします。

この記事では、株主総会の招集通知の方法について、司法書士がわかりやすく解説します。

 

株主総会の招集通知の方法を解説します

株主

株主総会の招集通知は基本的には文書で出しますが、株主の承諾があればEメールで通知することもできます(会社法299条)。

株主総会の招集通知には、次の事項を記載します(会社法298条)。

  1. ・株主総会の日時と場所
  2. ・株主総会の議題
  3. ・書面投票を可能にした場合は、その旨
  4. ・電子投票を可能にした場合は、その旨
  5. ・そのほか、会社法施行規則63条で定める事項

 

株主総会の日時と場所

株主総会の開催場所については法律上の制限はありません。

どこで開催しても構いません。

株主が少ない場合は会社の会議室、株主が多い場合は近隣の会議室などを借りて開催するのが一般的です。

ただし開催場所が過去の株主総会のいずれの場所とも著しく離れた場所であるときは、その場所を決定した理由を招集通知に記載しないといけません(会社法施行規則第63条)。

 

株主総会の議題

取締役会を置く会社は、特に株主総会の議題についての記載に注意が必要です。

取締役会を置く会社では、あらかじめ定められた議題以外の事項について決議することができません(会社法309条5項)。

招集通知は、株主に出席の機会と準備の余裕を与えるために出すものだからです。

たとえば招集通知に取締役選任の件を議題として記載していない場合は、取締役の選任の決議をすることができません。

取締役の選任を議題にする場合は候補者の氏名などを招集通知に記載します。

決算報告書

 

書面投票・電子投票を可能にした場合は、その旨

書面投票とは、株主総会に出席しない株主が書面で議決権を行使することです。

電子投票とは、株主総会に出席しない株主がemailなどで議決権を行使することです。

書面投票・電子投票を認める場合は、株主に対して株主総会参考書類を交付する必要があります。

コロナ禍で、大人数の株主が対面で集まるのが難しい場合は、書面投票・電子投票も検討したほうがいいでしょう。

株主が少数で、すべての株主が出席するのが難しくない場合は、事務的な負担の方が大きいかもしれません。

 

株主総会の招集通知のひな形

招集通知

株主総会の招集通知のひな形を用意しました。

会社の実情に合わせて作成してください。

  1. 招集通知

 

株主総会の招集通知の添付書類

取締役会を置く会社の場合は、定時株主総会については計算書類を添付する必要があります。


株主総会の招集通知の期限

株主総会の招集通知は、1週間前までに送る必要があります。

取締役会を置かない会社の場合は、定款で定めることにより、この期間を短縮することができます。

株式の譲渡制限がない公開会社の場合は、2週間前までに送る必要があります。


株主総会の招集通知は省略できる

株主総会

株主総会の招集通知は次の場合に省略することができます。

  1. ・株主全員の同意がある場合
  2. ・株主全員が出席した場合


株主総会の招集通知は、株主に出席する機会を与えるためのものなので、全員の同意があるか、全員が出席している場合は、省略しても問題はないということです。

株主の同意を得て招集通知を省略する場合は、トラブルを防ぐためにも書面で同意したことを確認しておきましょう。

 

株主総会の招集通知の手続きを適正に行わない場合のリスク

株主総会の招集通知は、株主に出席の機会と準備を与えるための大事なものです。

招集手続きを法令や定款に則って適正に行わないと、招集手続きの違反を理由として訴訟を起こされ、株主総会の決議が取り消される可能性があります。

特に株主間で方針を巡って争いになっているような場合は、注意が必要です。

 

まとめ

以上、株主総会の招集通知について解説しました。

株主総会については、ほかにも記事がありますので、よろしければご覧ください。

  1. ・関連記事 株主総会の開催時期【いつまでに開催しないといけないの?】
  2. ・関連記事 株主総会議事録の作成のポイントをわかりやすく解説します
  3. ・関連記事 株主総会の決議事項を解説します【普通決議 特別決議 特殊決議】


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というわけで今回は以上になります。

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