NPO法人は合同会社の業務を執行しない社員になれる?
「NPO法人の代表をしています。この度、活動資金を得るために合同会社を設立して事業を行いたいと思っていますが、NPO法人は合同会社に出資して、合同会社の社員になることはできますか?」
こういった疑問にお答えします。
先日NPO法人(特定非営利活動法人)の代表の方から、新しく合同会社を設立したいが、NPO法人が合同会社の業務を執行しない社員になることはできるか、との質問がありました。
そこでいろいろと調べてみたので解説します。
NPO法人は合同会社の業務を執行しない社員になれる?
結論からいうと、NPO法人 (特定非営利活動法人) は合同会社に出資して、合同会社の業務を執行しない社員になることができます。
法人も合同会社に出資して、社員になることができます。
くわしくはこちらをご覧ください。
・関連記事 合同会社(LLC)の設立の手順【必要書類や手続きの流れなど】
ただ、NPO法人は営利を目的としてはいけませんので(特定非営利活動促進法2条2項1号)、 NPO法人が合同会社に出資して、合同会社の社員に就任することは問題があるように思われます。
しかし、NPO法人としての活動資金を得るために資産運用する場合の手段については特段禁じられていないので、このケースでは違反に問われることはないと考えられます。
内閣府のNPOのQ&Aのページに、NPO法人が株式会社の株主となることは、営利を目的としないものという規定に反する行為に当たりますか、という質問に対して、質問のケースにおいて特定非営利活動促進法第2条違反を問われることはない、との回答があります。
・外部リンク NPO法人が株式会社の株主となることは、法第2条の営利を目的としないものという規定に反する行為に当たりますか。
ざっくりいうと、合同会社における業務を執行しない社員は、株式会社の株主とほぼ同じです。
なので、NPO法人が合同会社の業務を執行しない社員となることも、特定非営利活動促進法2条に違反することはないといえます。
ただし、特定非営利活動促進法第3条第1項において、特定の者の利益を目的とした事業は禁じられていることから、事業の一環としての出資に当たるような場合は、原則認められない、とのただし書きがあるので注意が必要です。
というわけで、NPO法人は合同会社に出資して、合同会社の業務を執行しない社員になることができます。
実際にNPO法人を業務を執行しない社員とする合同会社の設立登記を申請したところ、無事設立することができました。
まとめ
以上、NPO法人が合同会社の業務を執行しない社員になることはできるかについて解説しました。
今回は、NPO法人が、合同会社の業務を執行しない社員になるケースでしたが、業務執行社員に就任することができるかどうかについては、わかりませんでした。
調べた限りでは、そのような先例もないようです。
もしわかりましたら、またお知らせいたします。
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それでは今回はこの辺で。
ここまでお読みいただきありがとうございました。