戸籍謄本を他人が取得することはできる?できる場合がある

忙しくて相続手続きに必要な戸籍謄本が取れない人

「先日、父が亡くなりました。相続手続きには戸籍謄本が必要とのことですが、忙しくて戸籍謄本を取りに行く時間がありません。他人に戸籍謄本の取得をお願いすることはできるのでしょうか?」


大阪の司法書士・行政書士の田渕です。こういった疑問にお答えします。

戸籍は身分関係を証明するものです。

結婚、死亡、親族関係などの重要な個人情報が記録されているものです。

なので、基本的には他人が戸籍謄本を取得することはできませんが、例外的に他人でも戸籍謄本を取得できる場合があります。

この記事では、戸籍謄本を他人が取得できる場合について司法書士がわかりやすく解説します。


戸籍謄本を他人が取得することはできる?できる場合がある

戸籍謄本を他人が取得することはできる?できる場合がある

戸籍謄本を取得できる人は次の通り戸籍法に定められています(戸籍法10条)。

・戸籍に記載されている人

・配偶者

・直系尊属(親や祖父母など)

・直系卑属(子や孫など)

 

直系尊属は親や祖父母など、直系卑属とは子や孫などです。

叔父叔母や兄弟姉妹などは原則として戸籍謄本を取得することができません。

このように原則として、他人の戸籍謄本を取得することはできませんが、次の場合には目的の範囲内で戸籍謄本を取得することができます(戸籍法10条の2)。

・自己の権利または義務のために戸籍を確認する必要がある場合 

・国または地方公共団体の機関に提出する必要がある場合 

・その他戸籍の記載事項を利用する正当な理由がある場合 

 

たとえば、相続手続きや訴訟手続きなどの場合であれば戸籍謄本を請求することができます。

しかし、婚姻をしようとする相手の親族関係を調査する場合や、取引をしようとする相手方の素性を確認するというような場合には、戸籍謄本を請求することはできません。

このような場合は、戸籍の記載事項を利用する正当な理由があるとはいえないからです。

 

司法書士は戸籍謄本を取得できる?

司法書士

司法書士などの士業は、業務として手続きの依頼を受けた場合は、その業務に必要な範囲内で依頼者に代わって戸籍謄本を取得することができます。

たとえば相続登記(不動産の名義変更)の手続には戸籍謄本が必要になりますが、司法書士が相続登記の依頼を受けた場合は、依頼者に代わって戸籍謄本を取得することができます。

・関連記事 相続登記の手続を司法書士が解説【不動産の名義変更】


ただし、司法書士も無制限に他人の戸籍謄本を取得できるわけではなく、取得できるのは依頼者が権利を有する範囲内に限られます。

 

まとめ

相続

以上、戸籍謄本を他人が取得することができるかについて解説しました。

まとめると次の通り。

・戸籍謄本を取得できるのは、本人、配偶者、直系尊属、直系卑属

・正当な理由があるときは、他人でも戸籍謄本を取得できる

・司法書士などの士業は、業務のために必要な範囲内で戸籍謄本を取得できる


今回は以上です。

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