払込みがあったことを証する書面の注意点などを解説します
「株式会社を設立しようと思っています。資本金を払い込んだときは、払込みがあったことを証する書面という書類を作成しないといけないと聞きました。払込みがあったことを証する書面とはどういった書類なのでしょうか」
大阪の司法書士・行政書士の田渕です。こういった疑問にお答えします。
会社を設立する際には、資金を払込みしないといけません。
資金を払い込んだときは、設立登記の添付書類として、払込みがあったことを証する書面という書類を作成しないといけません。
払込みがあったことを証する書面とは、会社の設立資金がちゃんと払い込まれていることを証明する書面です。
また、払込みをする金融機関の口座は発起人または設立時取締役の名義である必要がありますが、特例でそれ以外の人の口座に払い込むこともでき、その場合には追加で必要な書類があります。
この記事では、払込みがあったことを証する書面を作成する際の注意点などを司法書士がわかりやすく解説します。
会社設立手続き全般については、別記事にくわしくまとめてありますので、こちらをご覧ください。
払込みがあったことを証する書面の注意点などを解説します
払込みがあったことを証する書面とは、読んで字のごとく、会社設立の際に必要な資金が払い込まれたことを証明する書面です。
次のような内容です。
払込証明書
当会社の募集株式については以下のとおり、全額の払込みがあったことを証明します。
募集株式の数 株
払込みを受けた金額 円
令和 年 月 日
本店 大阪市○○区○○町〇丁目〇番〇号
商号 株式会社○○○○
代表取締役 ○○○○ 印
ワードのひな形はこちらです。
この書類と、払い込んだ金融機関の口座の通帳のコピーをホッチキスで止めて、ページのつづり目に会社の実印で契印します。
金融機関の口座は全ページコピーする必要はありません。
コピーするのは次のページです。
・表面(金融機関名が表示しているページ)
・裏面(金融機関支店名が表示しているページ)
・振り込みまたは入金した金額が記載されているページ
これが、払込みがあったことを証する書面です。
払込みは定款認証した後にしないといけない
注意点は、払込みは定款認証した後にしないといけないということです。
株式会社の場合、定款は公証役場で認証してもらわないといけません。
そして払込みは、この定款認証のあとにしないといけないと定められています。
この順番を守らないと、最悪、再度定款認証しないといけなくなる場合があるので注意が必要です。
合同会社の場合は、定款認証は必要ありませんが、払込みは定款を作成した後でないといけません。
少なくとも、入金日が定款作成の日付と同じ日付でないといけないということです。
発起人以外の設立時取締役の口座に振り込むこともできる
会社設立する前は、会社名義の金融機関口座を作ることができないので、発起人個人の金融機関の口座に払い込みます。
払込金額を一旦引き出して、すぐに入金するのでも構いません。
払い込む金融機関の口座は発起人名義のものが一般的です。
ただし、会社設立時の資金として発起人がちゃんと管理できる体制であれば、発起人以外の設立時取締役の金融機関の口座でも大丈夫です。
また発起人または設立時取締役の全員が日本国内に住所を有していない場合は、特例として預金通帳の口座名義人は、発起人及び設立時取締役以外の人であっても差し支えないとされています(平成29年03月17日民商41)。
この場合は、会社の設立登記には、発起人がその口座の名義人に対して払込金の受領権限を委任したことを証明する書面(委任状)を合わせて添付することが必要になります。
発起人が払込金について管理できていることを確認するためです。
この場合の委任状のひな形はこちらです。
・委任状
発起人が複数人いる場合でも、そのうちの一人から委任を受ければよいとされています。
まとめ
以上、払込みがあったことを証する書面について解説しました。
当事務所は、大阪京橋の司法書士・行政書士事務所です。
会社設立手続きについての相談を承っています。
初回相談無料ですので、お気軽にご相談ください。
ご相談の方は、電話(06-6356-7288)か、こちらのメールフォームからお問い合わせください。
それでは今回は以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。