戸籍の筆頭者が死亡したら?相続への影響をやさしく解説

「戸籍の筆頭者が亡くなったら、その戸籍はどうなるの?」「新しい戸籍を作らなければいけないの?」
大阪の司法書士の田渕です。こういった疑問にお答えします。
こうした疑問は、相続の場面でよく聞かれます。
この記事では、戸籍の筆頭者が死亡した場合について、司法書士がわかりやすく解説します。
目次
戸籍の筆頭者が死亡したら?相続への影響をやさしく解説

結論からいえば、筆頭者が亡くなっても、その戸籍謄本が使えなくなるわけではありません。筆頭者が亡くなっても、そのまま家族がその戸籍に在籍し続けることができます。
そもそも筆頭者とは誰なのか?

戸籍の筆頭者とは、戸籍の一番はじめに記載されている方のことです。
たとえば、結婚を機に新しい戸籍を編製した場合、そのときに夫婦のうち一方が「筆頭者」として記載されます。一般的には夫が筆頭者になるケースが多いですが、法的にどちらが筆頭者でも構いません。
この「筆頭者」は、戸籍の中で最初に名前が記載されているだけであって、法律上の「家長」や「相続代表者」という意味合いは持ちません。
つまり、筆頭者であることに法的な権限や特別な義務はありません。
くわしくはこちら。
・関連記事 戸籍の「筆頭者」とは?基本から司法書士がわかりやすく解説
筆頭者が亡くなった戸籍はそのまま使える?

筆頭者が亡くなった後も、その戸籍は引き続き有効です。
他の家族がその戸籍に残っている限り、その戸籍は「在籍中の戸籍」として存在し続けます。
筆頭者だけが亡くなり、配偶者や子どもが同じ戸籍に残っていれば、役所でそのまま戸籍謄本を取得することが可能です。
その戸籍に載っているすべての人が死亡あるいは転籍してしまうと、戸籍は閉鎖されて「除籍」となります。
除籍された戸籍でも、相続や法的手続きには必要な場面があるため、役所で「除籍謄本」として取り寄せることができます。
・関連記事 戸籍謄本に除籍という記載が 除籍とは何か?司法書士が解説
筆頭者が死亡したら戸籍を移すべき?

「筆頭者が亡くなったら、自分も新しい戸籍に移さなければならないのでは?」という質問をいただきますが、実際にはその必要はありません。
筆頭者の死亡に伴って自動的に転籍や新たな戸籍が作られることはありませんので、現在の戸籍に残っている家族はそのまま在籍し続けることができます。
ただ、たとえば現在の住所地を本籍地にしたい場合や、自分だけの戸籍にしたいと考えている場合などには、希望により転籍(本籍の変更)をすることができます。
戸籍の手続きや相続で困ったときは

相続のために必要な戸籍の収集や読み解きは、慣れない方にとっては非常に大変な作業です。
そうしたときには、相続手続きに精通した司法書士などの専門家にご相談いただくことで、無駄な手間や時間をかけず、確実に必要な書類をそろえることができます。
ご自身で対応されるのが不安な場合には、どうぞお気軽にご相談ください。
ご相談はこちら。
・TEL 06-6356-7288
まとめ
以上、戸籍の筆頭者の死亡について解説しました。
まとめると次の通り。
・筆頭者が死亡しても、戸籍は自動的には消えません。
・戸籍の移動(転籍)は任意で、希望すればいつでもできます。
・相続手続きでは、筆頭者が死亡した戸籍も重要な証拠資料となります。
筆頭者が死亡しても、戸籍は自動的には消えません。
戸籍の移動(転籍)は任意で、希望すればいつでもできます。
相続手続きでは、筆頭者が死亡した戸籍も重要な証拠資料となります。
今回は以上です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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