終活とは?わかりやすく解説 人生をよりよく生きるための準備

「最近、終活という言葉をよく聞きます。終活とはなんでしょうか?」
大阪の司法書士・終活カウンセラーの田渕です。こういった疑問にお答えします。
終活とは、自分らしい最期を迎えるために、今から準備をしておく活動のことを指します。これは単に遺産やお葬式の準備だけではなく、自分の人生を振り返り、未来をより充実させるための活動でもあります。
この記事では、終活の基本や具体的な取り組み、始めるタイミングについて詳しく解説します。
目次
終活とは?わかりやすく解説 人生をよりよく生きるための準備

終活は、人生の最期を迎える前に、自分自身や家族のために必要な準備を行うことです。
具体的には、次のようなことを中心に行われます。
・身の回りの整理
・財産や契約の整理
・遺言書の作成
・お葬式やお墓の手配
・ 大切な人との交流
・エンディングノート
終活の内容1 身の回りの整理

身の回りの整理をすることには次のようなメリットがあります。
・生活スペースがスッキリし、気持ちも前向きになる
・家族が遺品整理で困らなくなる
・本当に大切なものが何か見えてくる
・もしもの時の準備が整い、安心して過ごせる
使わなくなった衣類・靴、食器・調理器具など、まだ使えるかもと思って取っておいたものでも、処分を検討しましょう。
要る要らないの判断をするのはエネルギーが必要なものです。なので、元気なうちに整理を始めるのがいいと思います。
とはいえアルバム、手紙、プレゼントなど、思い出が詰まったものは簡単に捨てられないこともあるでしょう。
その場合、思い出の品は写真に撮って記録したり、アルバムについてはパソコンなどに取り込んだりするなどを検討しましょう。
家族と話しながら整理するのもおすすめです。
整理し直したら、エンディングノートに保管場所をメモしておくといいでしょう。
整理のポイント:
・「1年以上使っていないもの」は手放す
・「いつか使うかも」と思ったら、処分のサイン
・売れるものはリサイクルショップへ

また、物理的なものだけでなく、スマホやパソコンの中には、終活で整理すべき情報がたくさんあります。
SNS(Facebook・X・Instagram)のアカウントを整理したり、自分が亡くなった後に見られたくない情報などの削除を検討してみましょう。
また、Amazonプライムやネットフリックスなどの有料サービスは自動更新になっていることが多いため、亡くなった後も引き落としが続いてしまう可能性があります。これらの契約内容や支払い方法をリスト化しておき、家族が解約しやすいようにしておくと安心です。
さらに、ネット銀行や電子マネー、暗号資産などのデジタル資産も重要です。パスワードやログイン情報を安全な方法で記録しておくことで、遺族が困らずに手続きできます。
「デジタル終活」と呼ばれるこうした取り組みは、目に見えない情報だからこそ、早めの整理が必要です。信頼できる人に伝える方法を考えることも、安心して人生を締めくくる準備のひとつです。
終活の内容2 財産や契約の整理

預金口座や保険契約、不動産のリストアップしてみ相続財産目録を作っておきましょう。
財産目録は、大事な家族に財産の内容を伝えるものです。
財産目録を作成しておくと、相続の際に家族が困らずに済みます。
財産目録はエンディングノートに記載することもできます。
財産目録についてはこちら。
・関連記事 相続の財産目録の書き方をわかりやすく解説【ひな型付き】
終活の内容3 遺言書の作成

終活の中でも特に重要なのが、遺言書の作成です。自分の意思を明確に残すことで、残された家族が相続で争いになることを防ぐことができます。
たとえば「長男に家を継いでもらいたい」「特定の人に財産を渡したい」「内縁の妻にも財産を残したい」といった希望がある場合、それをきちんと書面にしておかないと、希望がまったく反映されないこともあります。
また、遺言書には「感謝の気持ち」や「人生のメッセージ」などを添えることもできます。
・関連記事 遺言とは?その意味と役割を司法書士がわかりやすく解説
・関連記事 遺言書の書き方【遺言書の例文と気を付けるポイント】
まだ元気だから遺言は早い、と思いがちですが、万一のときに備えて、元気なうちに準備しておくのが理想です。作成後も、気持ちや状況が変われば書き直すことができるので、まずは一度取りかかってみることをおすすめします。
終活の内容4 お葬式やお墓の手配

人生の締めくくりに向けて、「どのようなお葬式にしたいか」「お墓はどうしたいか」といった希望をあらかじめ考えておくことも、終活の大切な一歩です。
「家族だけで静かに送り出してほしい」「友人や知人も呼んでにぎやかに送り出してほしい」など、人によって理想はさまざまです。
最近では、無宗教の自由葬や、火葬のみを行う直葬(ちょくそう)を選ぶ方も増えています。
また、「どこにお墓を建てるか」も、家族の負担や将来の維持を考えるうえで重要です。従来の墓石を建てる形式だけでなく、永代供養墓や樹木葬、納骨堂、海洋散骨といった選択肢も広がっています。
こうした希望をあらかじめメモにしておいたり、「エンディングノート」に記しておくことで、残されたご家族が悩まずにすみます。費用についてもある程度の目安を書いておけば、経済的な準備にもつながります。
「自分の最期をどう迎えるか」を自分で考え、準備しておくことは、家族への最後の思いやりとも言えるでしょう。
また身寄りがなく、お葬式やお墓についての希望を叶えたい場合、司法書士などの専門家に託すことができます。これを死後事務委任契約といいます。
死後事務委任についてはこちら
・関連記事 死後事務委任契約とは【葬儀など死後のことを生前に委任】
終活の内容5 大切な人との交流

終活というと、書類の整理や財産の準備といった手続きの面に目が向きがちですが、本当に大切なのは「人とのつながり」を見つめ直すことかもしれません。
たとえば、長い間会っていなかった友人に連絡をとってみたり、少し疎遠になっていた家族に素直な気持ちを伝えたり。
元気なうちに「ありがとう」や「ごめんね」を伝えることは、自分自身の心を軽くし、相手の心にも温かさを残します。
また、写真や手紙を整理しながら、思い出話を誰かと語り合うことも立派な終活の一環です。アルバムや日記をきっかけに、家族に自分の生き方や価値観を伝える時間を持つのも良いでしょう。
終活は「終わりの準備」ではなく、「これからの時間をどう過ごすか」を考えるチャンスです。人との交流を大切にすることで、自分らしい人生の締めくくりに近づくことができます。
終活の内容6 エンディングノートを書く

終活の中で、多くの方におすすめしたいのが「エンディングノート」を書くことです。
エンディングノートとは、自分の人生の記録や、もしものときの希望、家族へのメッセージなどを自由に書き残せるノートのこと。法律的な効力はありませんが、「自分の想い」を形に残すことができます。
たとえば、以下のような内容を書いておくことができます。
・自分の基本情報(本籍・保険・銀行口座など)
・医療・介護についての希望
・葬儀やお墓についての希望
・デジタル遺品(スマホ・パソコン・SNSなど)の情報
・財産の概要(どこに何があるか)
・家族や大切な人へのメッセージ
いざというとき、家族は精神的にも大きな負担を抱えます。
そんなとき、このノートがあることで「どうしてほしいか」が明確になり、迷いや混乱を減らすことができます。特に医療や介護の場面では、本人の意思を事前に伝えることができる貴重な手段になります。
また、エンディングノートを書くことは、自分の人生を振り返るきっかけにもなります。「どんな人生だったか」「これから何を大切にしたいか」と向き合う時間は、残された日々をより充実させるものになるでしょう。
エンディングノートは、市販のものを使っても、自分で手帳に書いても構いません。書き方に決まりはありません。大切なのは、想いを残そうとするその気持ちです。
・関連記事 エンディングノートとは?司法書士、終活カウンセラーが解説
無理なく整理を進めるコツ
「一気に片付けよう!」と意気込むと疲れてしまいます。
無理なく続けるコツはこちら!
✔ 1日15分だけ「片付けタイム」を作る
✔ 「捨てる」のではなく「ありがとう」と思って手放す
✔ 必要なものと不要なものを「3つの箱」に分ける(残す・迷う・手放す)
✔ 1つ捨てたら1つ買う「物を増やさない習慣」をつける
終活を始めるメリット

終活には次のようなメリットがあります。
1. 家族の負担を軽減
2. 自分の意向を反映できる
3. 人生の振り返りができる
終活のメリット1. 家族の負担を軽減
財産の整理や遺言書の作成をしておけば、相続手続きや遺品整理の負担を減らせます。特に相続がスムーズに進むことで、家族間のトラブルを防ぐことができます。
終活のメリット2. 自分の意向を反映できる
葬儀やお墓について、自分の希望を事前に決めておくことで、家族に自分らしい形を伝えられます。たとえば、「簡素な葬儀を希望する」「散骨を希望する」といった要望も叶えやすくなります。
終活のメリット3. 人生の振り返りができる
自分の人生を見つめ直し、大切なものに気づく機会になります。「伝えたい感謝」「やり残したこと」を整理することで、心が軽くなる効果も期待できます。
終活を始めるタイミング
終活に早すぎるということはありません。以下のタイミングを目安にするとよいでしょう。
・定年退職後:仕事から離れ、人生を見つめ直す時期。
・子どもの独立後:家族の生活が落ち着き、自分自身の時間が増える時期。
・病気や大きな出来事を経験したとき:将来を考えるきっかけになります。
終活をスムーズに進めるためのポイント

終活をスムーズに進めるためのポイントは次の通り。
1 家族と話し合う
2 無理をしない
3 専門家を活用する
終活のポイント1 家族と話し合う
終活は一人で進めるものではありません。家族と情報や思いを共有しながら進めましょう。
終活のポイント2 無理をしない
一度にすべてを完璧にしようとせず、少しずつ進めることが大切です。
終活のポイント3 専門家を活用する
終活カウンセラー、司法書士などの専門家に相談すると、手続きや準備が効率的に進められます。
また司法書士などの法律の専門家であれば、遺言や相続などの相談もできます。
大阪の方なら当事務所でも承っております。

当事務所は大阪の司法書士・行政書士事務所です。
当事務所では、終活から、遺言・相続についての相談を承っています。
初回相談無料ですので、お気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら。
まとめ

終活とは、「最期を見据えた活動」であり、安心感と心の充実感を得るための準備です。人生の最期を考えることは、新しい人生の充実につながります。
「終わり」を考えることは、「今」をよりよく生きること。ぜひこの記事を参考に、終活を始めてみてください。
あなたらしい未来の準備を、今日からスタートしましょう!