地番と住所の違いとは?なぜ一致しないのかを司法書士が分かりやすく解説

「登記簿に書いてある地番と、住所が違うのですが、何か問題がありますか?」
大阪の司法書士の田渕です。こういった疑問にお答えします。
結論から言えば、地番と住所が違っていても異常ではありません。
むしろ、日本では一致していないケースの方が多いくらいです。
この違いを正しく理解していないと、登記手続きの場面で困ってしまうことがあります。
この記事では、地番と住所の基本的な違いから、なぜ一致しないのか、そして相続登記ではどちらが重要になるのかを、司法書士の視点で解説します。
目次
地番と住所の違いとは?なぜ一致しないのかを司法書士が分かりやすく解説

地番とは、土地一筆ごとに法務局が管理している番号です。
土地の不動産登記簿には必ず地番が記載されており、相続登記や売買、抵当権設定など、あらゆる不動産登記手続きはこの地番をもとに行われます。
重要なのは、不動産登記は住所では管理されていないという点です。
登記の世界では、住所ではなく、地番で土地を特定します。
例えば、当事務所が入居しているビルの住所と、そのビルの土地の地番は次の通りになります。
住所 大阪市都島区東野田町一丁目21番14号
地番 大阪市都島区東野田町一丁目21番14
大阪市都島区東野田町一丁目21番15
2筆の土地の上にビルが建っているということです。このように二つ以上の土地に建物が建っていることも珍しくありません。
このような場合に土地を住所で管理するとややこしくなるため、土地ごとに番号をつけて管理しています。この土地の番号が地番です。
そのため、登記簿を見たときに、普段使っている住所と全く違う数字が書いてあっても、間違いではありません。
一方で、住所は市区町村が住民の生活のために定めている表示です。
住民票や運転免許証、郵便物など、私たちが日常生活で使っているのはすべて住所です。
住所は「ここに人が住んでいます」ということを分かりやすく示すためのものであり、土地の筆(登記上の区画)と必ずしも一致するように作られているわけではありません。
この時点で、地番と住所がズレる土台ができているといえます。
なぜ地番と住所は一致しないのか

地番と住所が違う最大の理由は、目的がそもそも違うからです。
地番は不動産を法的に管理するための番号であり、住所は人が住む場所を分かりやすく示すためのものです。
さらに、日本の多くの地域では「住居表示」が実施されています。
住居表示が行われると、地番とは関係なく、街区ごとに整理された番号が新たに住所として割り振られます。
その結果、登記簿上の地番と、現在の住所が全く別の数字になることが珍しくありません。
また、土地が分筆されたり、合筆されて地番が変更になっても、住所表示はそのままというケースもあります。
登記だけが変わり、住所は変わらないため、両者の差はさらに広がっていきます。
地番と住所の違いが問題になる場面

普段の生活では、地番と住所の違いを意識することはほとんどありません。
しかし、相続が発生し、不動産の名義変更をしようとしたときなどに、初めて問題として表面化します。
「父の自宅を相続したい」と思っていても、登記申請ではその住所の不動産ではなく、どの地番の土地・建物かを特定しなければなりません。
住所しか分からない状態では、相続登記の申請書を作ることができないのです。
地番はどのように調べるのか

地番を調べる方法はいくつかありますが、一般の方にとっては少し分かりにくい作業になります。
固定資産税の課税明細書を確認すると、地番が記載されていることがあります。
また法務局で公図や登記簿を確認して、住所周辺から地番を特定する方法もあります。
ただし、古い土地や複数の土地が絡んでいる場合は、書類だけを見ても「この住所がどの地番なのか」が判断できないことも多く、実務では複数の資料を突き合わせて確認します。
また司法書士は登記の専門家ですので、司法書士に相談すれば調べてくれます。
地番と住所で迷ったら早めの相談を

地番と住所の違いは、ネットで調べればある程度の知識は得られますが、
「結局、この土地はどれなのか」という最終判断は簡単ではありません。
すみやかに登記手続きをしたいという方は早い段階で司法書士に相談することで、解決できます。

大阪の方なら当事務所でも承っております。
初回相談無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら。
まとめ

地番と住所は同じものではありません。
一致していなくても問題はありませんが、不動産の相続や登記手続きでは、地番が分からなければ何も始まりません。
「住所は分かるけれど、地番が分からない」
そう感じたときは、相続登記の専門家に相談するタイミングだといえるでしょう。
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