【2026年4月から】住所変更登記が義務化!放置すると5万円の過料

住所変更登記が義務化!放置すると5万円の過料

不動産を所有している方に重要なお知らせです。これまで義務ではなかった不動産の住所変更登記が、2026年(令和8年)4月1日から義務化されることが決定しました。

引っ越しや結婚で住所や氏名が変わった際、登記簿の変更は後回しにしがちですが、義務化後は罰則が設けられるため注意が必要です。

この記事では、住所変更登記義務化の重要ポイントをわかりやすく解説します。

 

【2026年4月から】住所変更登記が義務化!放置すると5万円の過料

住所変更登記が義務化!放置すると5万円の過料

住所変更登記とは、不動産の登記簿に記載されている所有者の住所や氏名を変更する手続きのことです。

不動産の登記簿には、所有者が「どこの誰か」を明確にするため、所有者の住所と氏名が記載されています。

引っ越しで住所が変わったり、結婚で氏名が変わったりした場合、この登記情報を最新の状態に更新する必要があります。

これまでは住所変更登記や氏名変更登記をすることは義務ではありませんでしたが、2026年4月1日から義務化されます。


なぜ住所変更登記が義務化されるのか?

なぜ住所変更登記が義務化されるのか?

義務化の背景には、日本が抱える深刻な「所有者不明土地問題」があります。

所有者不明土地とは、登記簿を見ても所有者がすぐに判明しない、または所有者が判明しても連絡が取れない土地のことです。

国土交通省の調査によると、全国の土地のうち約24%が所有者不明土地で、その発生原因の約33%が住所変更登記がされていないため、とのことです。

・外部リンク 国土交通省 民法等一部改正法・相続土地国庫帰属法の概要


所有者不明土地は、土地の有効活用ができない、道路建設や災害復興事が進まないなど、様々な問題を引き起こします。

これらの問題を解決するため、登記情報を最新に保つことが義務化されたのです。


住所変更登記義務化の重要ポイント

住所変更登記登記義務化の重要ポイントは次のとおり。


住所変更登記義務化の重要ポイント1. 施行日

住所変更登記義務化の重要ポイント1. 施行日

住所変更登記は2026年(令和8年)4月1日から義務化されます。

なお、相続登記は2024年4月1日から既に義務化されています。


住所変更登記義務化の重要ポイント2. 変更登記の期限

住所変更登記義務化の重要ポイント2. 変更登記の期限

住所や氏名の変更があった日から2年以内に変更登記を申請する必要があります。


住所変更登記義務化の重要ポイント3. 罰則

住所変更登記義務化の重要ポイント3. 罰則

正当な理由なく2年以内に変更登記をしなかった場合: 5万円以下の過料(行政上の罰則)が科される可能性があります。


住所変更登記義務化の重要ポイント4. 過去の変更も対象

住所変更登記義務化の重要ポイント4. 過去の変更も対象

2026年4月1日より前に住所変更、氏名変更があった場合も対象です。

義務化される2026年(令和8年)4月1日より前に住所や氏名・名称に変更があった場合は、2026年(令和10年)3月末までに登記する必要があります。

現時点で変更登記が済んでいない方は、早めの手続きをおすすめします。


住所変更登記義務化の重要ポイント5. 個人も法人も対象

住所変更登記義務化の重要ポイント5. 個人も法人も対象

不動産の登記名義人が法人の場合でも、本店移転や商号変更があった場合、住所変更登記や氏名変更登記を行う必要があります。

個人:住所変更、氏名変更(婚姻・離婚など)

法人:本店移転、商号変更

 

法人の場合、本店移転、商号変更があった場合、商業登記を行う必要がありますが、法人が不動産を所有している場合、不動産登記も合わせて行わなければなりません。

 

正当な理由とは?

正当な理由とは?

以下のような場合は「正当な理由」があると判断され、住所変更登記を行っていなくても罰せられない可能性があります。

DV被害者で住所が知られると危険な場合

生活保護世帯など経済的困窮で登記費用を負担できない場合

・その他やむを得ない事情

 

ただし、具体的な基準は今後、通達や省令などで明確化される予定です。


住所変更変更登記の手続き方法

住所変更変更登記の手続き方法

住所変更登記は、必要書類を集めて、管轄の法務局に申請します。

必要書類:

・登記申請書

・住民票の写しまたは戸籍の附票(住所変更の場合)

・戸籍謄本(氏名変更の場合)

費用:

・登録免許税:不動産1件につき1,000円

・住民票・戸籍謄本取得費用:数百円程度

申請先: 不動産所在地を管轄する法務局

くわしくはこちらの記事をご覧ください。

・関連記事 住所変更登記とは?手続きの流れ・費用・必要書類をわかりやすく解説

・関連記事 氏名変更登記とは?戸籍上の名前が変わったときの登記手続き


司法書士に住所変更登記を依頼できる

司法書士に住所変更登記を依頼できる

手続きが複雑な場合や時間が取れない場合は、司法書士に依頼することもできます。

長期間放置していた場合、手続きが複雑になる可能性があるため、専門家への相談をおすすめします。

大阪の方なら当事務所でも承っております。

当事務所では、不動産登記全般の手続きを多数取り扱っています。

書類の収集から登記申請まで、すべてサポートいたします。

💡「自分で申請できるかわからず不安」

💡「忙しくて自分ではできない」

という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

初回相談は無料です。

ご相談はこちらから。

・電話:06-6356-7288

メールフォーム

 

新制度「スマート変更登記」とは?

新制度「スマート変更登記」とは?

2026年4月の義務化と同時に、新制度「スマート変更登記」も導入されます。

法務局の登記官が、以下の情報を基に職権で変更登記ができるようになります:

個人:住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)から取得した情報

法人:商業・法人登記システムから取得した情報

 

ただし個人の場合、職権による変更登記が行われるのは: 事前に本人から法務局へ

申出があった場合のみです。

これはDV被害者保護の観点から、本人の了承なく住所が明らかになることを防ぐためです。

事前に「検索用情報の申出」というものをしていれば、スマート変更登記が利用できます。

申出の後に住所や氏名の変更があった場合は、法務局において住所等の変更の事実を確認して、本人の了解を得た上で、法務局が変更登記をします。

法人の場合は、本人の意思確認なく職権で変更登記が行われる予定です。2024年4月1日から会社法人等番号が登記事項となり、この番号を基に自動的に変更が反映されます。

 

住所変更登記義務化についてのよくある質問(Q&A)

住所変更登記義務化についてのよくある質問(Q&A)


Q1. 複数の不動産を所有している場合は?

A. 所有している不動産すべてについて変更登記が必要です。ただし、一度の申請でまとめて手続きできます。

 

Q2. 相続で取得した不動産も対象?

Q2. 相続で取得した不動産も対象?

A. はい、相続で取得した不動産も住所変更登記の義務化の対象です。なお、相続登記自体も2024年4月から義務化されています。

 

Q3. 何度も引っ越している場合は?

Q3. 何度も引っ越している場合は?

A. 何度も引っ越している場合でも、現在の住所地への変更登記をすれば大丈夫です。すべての住所移転の履歴を登記する必要はありません。

ただし登記簿上の住所から現在の住所までのつながりを証明する必要があります。複数回引っ越している場合、その履歴が分かる住民票の除票や戸籍の附票が必要です。

 

Q4. 忘れていて2年を過ぎてしまったら?

Q4. 忘れていて2年を過ぎてしまったら?

A. 過料の対象となる可能性がありますが、気づいた時点で速やかに変更登記をすることが重要です。

 

Q5. 登記費用が払えない場合は?

Q5. 登記費用が払えない場合は?

A. 経済的困窮などの正当な理由がある場合は考慮される可能性があります。まずは法務局や司法書士に相談してください。

 

今すぐ確認すべきこと

今すぐ確認すべきこと

不動産を所有している方は、以下をチェックしましょう:

チェックリスト

・現在の住所と登記簿上の住所が一致しているか

・結婚・離婚で氏名が変わっているのに登記していないか

・所有している不動産の数と所在地を把握しているか

・登記簿謄本を最近取得したことがあるか

 

一つでも該当する場合は、早めの対応が必要です。

 

まとめ

まとめ

住所変更登記の義務化のポイントをおさらいしましょう:

施行日:2026年4月1日

期限:変更から2年以内

罰則:5万円以下の過料

過去の変更も対象

新制度「スマート変更登記」も導入

 

不動産を所有している方は、住所や氏名に変更があった場合、必ず2年以内に変更登記を行いましょう。

現時点で未登記の方は、2028年3月末までに手続きが必要です。手続きが複雑な場合や不明点がある場合は、司法書士など専門家への相談をおすすめします。

今回は以上です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

人気の関連ページ

相続登記は誰に頼む?司法書士・弁護士・行政書士の違い(2025)

ローン完済したら抵当権抹消登記が必要 司法書士が解説

司法書士に頼めること【相続・遺言、登記、後見、裁判など】

相続登記とは何か?基本を司法書士がわかりやすく解説

登記事項証明書(不動産)とは?見方を司法書士が解説します

相続登記しないとどうなる?【デメリットたくさん】